会報誌(DDKだより)
DDK Newsletter
1997年01月発行 第32号 DDKだより
巻頭言:中小企業の時代に
河野 先明けましておめでとうございます。
昨年末の日銀短観発表にもありますように、景気回復を支えてきた公共投資や住宅投資が、今後減少の方向に向かう恐れが強いこと、本年4月の消費税の税率の引き上げ、特別減税の打ち切りに伴う個人消費への悪影響と、景気減速の懸念が報道され、引き続き先行きの見えない厳しい状況下にあると考えるべきでしょう。
そういう中で、改めて、協同組合の役割が問われだしています。
それは、NPO、非営利組織の中心的な存在としての協同組合が今後どういう課題を果たすべきかということです。
今、中小企業にとって大切なことは、従来型の大企業に依存する企業でなく、地域経済の担い手として、事業の中で利益を追求するとともに、地域の環境や資源を大事にする、あるいは、地域の充実のためにさまざまな配慮をすることで、地域経済と地域住民にあてにされる企業を目指すことです。
協同組合は、組合員の自助を基礎につくられている組織で、自らの力ではやりきれないところを協同の力で、お互いに協力したり、援助しながら目的を実現するのが、協同組合の役割です。
量的な効果、周辺機能の共同事業の効果など絶えず新たな事業分野を模索し、相互扶助と自助の精神、自主的運営がますます求められます。
参加各組合員も、何か一つの事業を活用しているからそれで良いとするのではなく、その他の事業の活用の可否、改善の提言などをぜひお願いしたいと思います。
異業種・広域で800名の組合員のネットワークの活用と、そのための情報交流活動に力を入れる所存です。
今や、真の中小企業の時代にならなければ、日本経済の再生はないと言っても過言ではないと考えます。
年頭にあたり、今後協同組合事業が、各組合員の経営のお役に立つよう充実強化に向け、事務局一同、業務に邁進いたしますので、よろしく御鞭撻下さることをお願いし、新年の挨拶といたします。