会報誌(DDKだより)
DDK Newsletter
2001年02月発行 第81号 DDKだより
金融相談:法人成りしたときの借入金の取扱い
Q. 法人成りを考えています。銀行借入はどうなりますか。--------------------------------------------------------------------------------
理事 亀井 賢伍
A. 1.引継ぐものを確定
個人のもっている債権(資産)債務(負債)が、当然に会社に引継がれるわけではありません。営業用資産や事業上の借入金は会社が引継ぎ、住宅ローンなどは、個人に残すのが原則です。
先ず、会社が引継ぐ借入金を確定します。
2.債務引受け方法(対銀行)
銀行は、次の方法のうち適した方法を提案してきます。
(1)重畳的債務引受
会社が個人とともに債務を引受ける。(根抵当権については債務者に会社を加える)
(2)免責的債務引受
会社が単独で債務を引受ける。個人は連帯保証人になる。(根抵当権については債務者を個人から会社に変更し且つ被担保債権の範囲に、引受債務を加える。)
(3)会社に対し新たに貸出を行い、個人への貸出金を回収する。担保も保証も新しく差入れる。(根抵当権については債務者を個人から会社に変更する)
3.どの方法がよいのでしょうか
借り手の立場では、金利、借入期間、担保等の条件が悪くならなければ(3)の方法が一番すっきりします。(レアケース)
とくに既存借入が数口あり、まとめることにより返済が楽になるようであればなおよいでしょう。
(1)と(2)では(2)の方がより望ましいと思います。(最多ケース)
しかし何れにせよ会社の今後の借入がスムーズにいくことを第一義に考え、自分の主張に固執せず弾力的に対処することが肝要です。
ただし、この変更を好機として銀行が担保や保証人の追加を要求してきても安易に応じてはいけません。
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