会報誌(DDKだより)

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2001年07月発行 第86号 DDKだより

年金相談:60代前半の新しい老齢厚生年金のしくみ

Q.  8月に60歳になる男性です。61歳になるまでは年金が一部しか支給されないと聞きました。わたしの年金はどのようになるのですか。 




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今月の相談員 
社会保険労務士 栗原 淑江  


A.  60歳になると、これまでは、定額部分と報酬比例部分に加給年金額を加えた「特別支給の老齢厚生年金」が支給されてきました。しかし、今年の4月から、昭和16年4月2日~24年4月1日(女子は、21年4月2日~29年4月1日)生まれの人については、生年月日に応じて段階的にその支給年齢が引き上げられることになりました(これを「特例支給開始年齢」といいます)。この場合、60歳から「特例支給開始年齢」(あなたの場合は61歳)までは、報酬比例部分相当の老齢厚生年金のみが支給されることになります。(下図参照)
 生年月日に応じた「特例支給開始年齢」は次のとおり(男子の場合。女子はそれぞれ5年遅れ)。

昭和16.4.2~18.4.1(61歳)
昭和18.4.2~20.4.1(62歳)
昭和20.4.2~22.4.1(63歳)
昭和22.4.2~24.4.1(64歳)
 なお、この制度変更にあわせて、老齢基礎年金の繰上げ制度も改正されました(16年4月1日以前生まれの方は従来どおり)。
 ①繰上げにともなう減額率は、請求した月に応じて計算され(最大30%)、②「全部繰上げ」以外に「一部繰上げ」も選択できます。減額率は生涯つづきますのでご注意を。
 制度がますます複雑になっています。いずれにせよ、60歳近くなったら、年金手帳をもって社会保険事務所に出向き、ご自身の年金額をたしかめてください。その上でご自分にあった受給方法を選ぶことをおすすめします。



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