会報誌(DDKだより)
DDK Newsletter
2001年09月発行 第88号 DDKだより
金融・経営相談:知人の借入のために提供した「根抵当権」の解除
5年前、知人のA社がB銀行から4千万円の運転資金を借りるにあたり、第三者である私が担保提供しています(私所有の不動産に根抵当権5千万円設定)。B銀行からの借入は現在2千万円程度だとA社から聞いています。
この根抵当権の解除を交渉したいのですが・・・
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今月の相談員
伊藤 勝
中小企業診断士
中小企業組合士
Q.
そもそも、「根抵当権」とはどういうものなのでしょうか?根抵当には期限がないと聞いていますが本当でしょうか?
又、A社の借入れが減っているのなら、この際担保解除の申し出をしたいのですが、銀行は承諾してくれるものでしょうか。
A-1.
「根抵当権」の場合、提供した担保は、極度額5千万円を限度としてB銀行がA社に対して有する全ての債権(貸出しだけでなく手形・小切手債権を含む)に及びますし、期限を定めていない限り、いつまでも責任を負うことになります。
担保提供時の「担保差入書(根抵当設定契約書)」には、「現在、及び将来発生する一切の債務を担保する」と書かれており、登記簿には担保が及ぶ範囲(被担保債権)として、「銀行取引、手形・小切手債権」が、そして極度額も登記されています。
貴方の担保提供意思からすれば、上記4千万円の借入しか担保しない「普通抵当権」としておけばよかったケースです。
A-2.
担保解除の件ですが、銀行が難色をしめすようであれば、担保提供者が「根抵当権の確定」請求の手続きをとることにより、現在のA社の借入元本を確定させ、その債務がなくなれば自動的に担保がはずれる方法をとったらどうでしょうか。
確定期日を定めていない根抵当権は、担保提供者はその根抵当権を設定後3年以上を経過すれば、いつでも確定請求ができ、根抵当権はその請求があった時から2週間を経過した時点で確定します。
「根抵当権が確定」すると、それ以後のA社の銀行取引によって生じた債務は担保されず、根抵当権が終了します。
この手続きをとることにより、実質2千万円の普通抵当となり余力が生じ他に有効に活用できます。また、今の残債務が完済されれば当然担保責任はなくなります。
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