会報誌(DDKだより)

DDK Newsletter

2003年05月発行 第108号 DDKだより

金融・経営相談:セーフティネット保証制度とは

Q.最近よく耳にする「セーフティーネット保証制度」とは、どんな制度ですか。借換保証に活用すると大きなメリットがあると聞きましたが。


今月の相談員 
中小企業診断士
中小企業組合士 伊藤 勝 


A.「セーフティーネット保証」とは、取引先企業の倒産や災害、取引金融機関の破たん・店舗の統廃合などにより経営の安定に支障を生じている中小企業向けのもので、認定制度(*①)に基づく、信用保証協会の特別保証枠を利用した融資制度のことです。  
 昨年同保証の大幅改善で、中小企業の約8割が対象になるといわれています。  
認定要件の概要は・・・ 
▼1号:倒産関連/取引先企業の倒産などで債権の回収が困難になった中小企業者 
▼2号:事業活動の制限/生産・販売量の縮小、店舗の閉鎖などの事業活動の制限を行っている企業と取引があり、売上高・販売数量が減少した中小企業者 
▼3号:突発的災害(事故等)/省略 
▼4号:突発的災害(自然災害等)/省略 
▼5号:不況業種/業況の悪化している業種に属する中小企業者(現在178業種指定)で、直近3ヶ月の売上が前年同期の5%以上減少。 
▼6号:破たん金融機関/破たん金融機関と金融取引があった中小企業者 
▼7号:金融機関の再編成等による借り入れ減少/都銀は全部、地銀・第二地銀は8割、信金は7割、信組は5割が該当。 
▼8号:RCC(整理回収機構)へ貸付債権が譲渡された中小企業者。  
 以上のいずれかに該当すれば「セーフティーネット保証」利用の資格を有し、認定を受けた上この保証を活用して、今話題の「資金繰り円滑化借換保証制度」や新たな融資を金融機関に申込ができます(審査有り)。  
「セーフティーネット保証」利用の主なメリットは・・・ 
1,保証限度枠が倍増する(例えば「無担保保証」は、従来の保証限度8千万円に別枠で保証限度8千万円が追加される)。 
2,借入期間が最長10年(据置1年を含む)まで許容される。  
 なお、本保証利用の借入申込みには保証協会所定の「事業計画書」の提出が必要です。計画書の作成にあたっては、銀行や保証協会の審査がクリアできるよう十分練ったものにすることが肝要です。

(*①)認定制度:中小企業信用保険法に定める「特定中小企業者」に該当するかどうかを認定するもの。1号から8号まであり、認定するのは市区町村長(窓口は商工課)