会報誌(DDKだより)

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2004年07月発行 第122号 DDKだより

巻頭言:自分の頭で工夫し、実行する

岩井義照 

 私も永年零細企業の経営者をやっているが、「経営者の仕事ほど難しいものはない」というのが実感である。
  零細企業はトップセールスが中心だ。その他あらゆる仕事がある。トップが動かなければ部下は動かない。しかしトップが忙しく動けば、部下は動かない。要は指示待ちだからだ。自分で自発的に考え動くことはない。
  もちろん仕事は指示し教えなければ駄目だ。しかし教えすぎると、教えたことしかしない。言われた通りしているのだから良いはずだと思い込む。しかし教えなければ、我流で勝手にやるか怠ける。スポーツでも日本のコーチは手を取り足を取り教えるが、アメリカのコーチは原則は教えても、後はほとんど教えない。自分で工夫しろという。教えられたものは身につかない。応用ができない。自分で工夫したものだけが真に身につくという。工夫できない者はどうするか、辞めさせる。自分の頭で工夫し、実行する者だけが生き残れるという。非情だが、不況の中で零細企業が生き残るのはこれしかないと思う。 
 経営者が忙しすぎるのは危険だ。先ず立ち止まり、部下を使うことを考えよう。教え同時に考えさせる。先ず育てる。しかし駄目なら辞めさせ、新たに探すしかない。こうした勇気が必要だ。