会報誌(DDKだより)
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2005年01月発行 第128号 DDKだより
巻頭言:分け合えば足りるはずです、木の芽和え
河原 八洋あけましておめでとうございます。皆様方には、良いお年をお迎えのこととお喜び申し上げます。 昨年の夏は、記録に残る猛暑が続きました。そんな中、ギリシャのアテネではオリンピックが開かれ、日本人選手の活躍で大変湧き上がりました。
金メダル16、銀メダル9、銅メダル12個は今までに無い成績だったそうです。
そんな中、私が注目した選手は選手団長を勤めた、井上康生選手です。 今まで大きな大会では負け無しで来て、金メダルを確実視されていた柔道100キロ級の代表選手ですが、今大会では、準決勝でもしやの敗退を帰し、続く3位決定戦でも破れてメダル無しに終わってしまいました。
期待されていただけに大変な失意で人前に出るのもいやだったと思いますが、井上選手は同僚の選手が帰国した後も選手村に残り、他の競技に出ている日本選手の応援をして廻り、選手団長としての役目を見事に果たしていました。
なかなか出来ることでは有りませんが、もしかしたら彼には勝負の勝ち負けはそれほど重要ではなかったのかもしれません。
世界選手権で優勝が決った瞬間、両手で作ったこぶしを高らかに上げた、ガッツポーズを見ていたお父さんは、柔道は勝ち負けに執着していては上達しない。「礼に始まり礼に終わる柔道は、人としての生き方を求める道だ」。と諭したそうです。何と日本的な心でしょうか。
プロ野球を騒がせた、ライブドアの堀江貴文社長は、「世の中金で買えない物は無い」といっています。
また日本赤十字社に、9億7千万もの寄付をされた資産家の方は「社会から頂いたお金は、社会にお返しする」と話しています。 勝ち負けを重視すれば、勝っても負けても最終的には、幸せになれないのではないでしょうか。
そんなことを考えていましたら、無着成恭老師から新刊が送られてきて「分け合えば、足りるはずです、木の芽和え」の句が目に入りました。うん、これだと思いました。
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