会報誌(DDKだより)
DDK Newsletter
2006年09月発行 第148号 DDKだより
金融・経営相談:信用保証料が引き上げられた!
Q.今年6月、保証協会付きで600万円の追加融資を受けました(既往残高と合算すると1,100万円)。銀行窓口で「保証料が少し高くなります」といわれたが、反論して融資がダメになったのでは元も子もないので、黙って契約しましたが、胸さわぎが収まりません。 保証協会は、どこを改善すれば保証料を下げるか、教えてくれるでしょうか。今月の相談員
国民生活金融公庫出身 田口良一
A.9本建てに分けられた保証料のいずれを適用するか、を決めるため、保証協会は中小企業庁主導で開発されたモデルと申込企業の決算書とを比較します。申込企業は0点(最悪点)から100点(最高点)のいずれかに格付けされる(スコアリングという)。保証料はこの点数によって自動的に決まります。
なぜ保証料は高くなるのか(すなわちなぜ信用格付が低くなるのか)と質問を受けても、保証協会当局は、「判定作業はブラックボックスであり、自分たちにもさっぱりわからない」と答えます。
しかし同時に、保証協会当局は、個別企業の経営相談は大幅に強化した、とも回答しています。公的機関ですから説明責任は回避できません。
やっぱり保証協会に行って、保証料が引き上げられた理由と、経営改善点(悪い経営指標)を教えてもらうことが大切です。
保証料の引上げだけでは終わらない
保証協会による企業評価(倒産危険度、信用格付)の低下は、保証料の損得だけでは終わりません。この信用格付は実質的には政府(中小企業庁)が実施しているものです。すべての金融機関がこの保証協会の信用格付に右ならえすることになるのです。
もし、保証協会による悪い格付(高い保証料)を無視して、高い格付(安い金利、低い倒産引当金計上)のまま取引を続けたら、その金融機関はズサンな経営として、金融庁の摘発を受けるからです。
信用保証料が引上げられたときは、国家による重大な警告として受けとめ、対策に走り出しましょう。
(付記)DDKだより(2006.5)の「金融経営相談」も参考にして下さい。