会報誌(DDKだより)

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2006年10月発行 第149号 DDKだより

金融・経営相談:健康保険制度10月から変わる主な点

今月の相談員 
社会保険労務士 栗原淑江 



 「国民皆保険制度を堅持し、将来にわたり医療制度を持続可能なものとしていくため」と銘打って、健康保険制度の見直しがすすめられています。10月から変わる主な点をお知らせします。 
1.現役並み所得高齢者の患者負担の見直し 
 70歳以上の高齢者のうち、「現役並み所得」者の医療費患者負担割合が、現役世代と同様、3割(現行2割)に引き上げられます。一般・低所得者は、当面1割のまま(20年4月から2割に引き上げ予定)。 
 「現役並み所得」者とは、月収28万円以上(サラリーマンの場合)・課税所得145万円以上の人。18年8月以降は、公的年金等控除の縮減や老年者控除の廃止に伴い、該当する人は大幅に増える見込みです。世帯の年収ベースでみると、高齢者単身世帯で約360万円以上(現在480万円以上)、夫婦2人世帯で約520万円以上(同620万円以上)が目安です。 
2.高額療養費の自己負担限度額の引き上げ 
 1人1か月、同一の保険医療機関で支払った自己負担額が定められた限度額を超えたときに払い戻される高額療養費制度。この自己負担限度額も10月から引き上げられます。 
 70歳未満の場合は次のとおり。 
■上位所得者(現行月収56万円以上 →月収53万円以上) 
〔改正前〕139,800円+(総医療費-466,000円)×1% 
〔改正後〕150,000円+(総医療費-500,000円)×1% 
■一般 
〔改正前〕72,300円+(総医療費-241,000円)×1% 
〔改正後」80,100円+(総医療費-267,000円)×1% 
■低所得者(住民税非課税) 
35,400円=据え置き 
3.現金給付支給額の見直し 
①出産時の一時金(被保険者・被扶養者とも)を1児につき35万円に増額。 
②死亡時の埋葬料(費)(被保険者・被扶養者とも)を一律5万円に減額。