会報誌(DDKだより)

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2007年01月発行 第152号 DDKだより

巻頭言:間違いの無い人生を送る

河原 八洋


あけましておめでとうございます。
皆様方には、よいお年をお迎えのこととお喜び申し上げます。
新年を迎えて、誰もが『この1年幸せに過ごしたい』と願ったことだと思います。
ところがなかなかそれは実現しません。みんなが同じことを思っているのにどうして実現しないのでしょうか。
私は、土曜日の朝NHKで放送される『課外授業・ようこそ先輩』という番組が好きでよく見ます。昨年暮れに声優の大山のぶ代さんが母校の渋谷の小学校で6年1組の生徒を相手に2日間授業を担当しました。掲げた課題は、『友達の悩みやコンプレックスを励ますことで元気付ける』いうことです。
悩みはみんな持っているのですが、「悩みを打ち明けられたこと」が無かったり、『励ました』ことが無かったりして、始めは会話が続きません。そこで大山先生は、『自分の1番尊敬する人』を発表させて、次にその人に成りきってアドバイスをさせました。すると今度は、相手の心に響く言葉が次つぎに出てきて、会話がかみ合っていきます。少し立場を変えることにより、埋もれていた「友達を思いやる心」が蘇って来たのです。大山先生は2日目の最後に「いつまでもこの心を大切にして、大きくなっても忘れないで下さい」といって教壇を降りました。
孔子は弟子から『人が間違えの無い人生を送るには、どんなことをしたら良いのか』と聞かれて、『自分がされたくないことを他人にはしないこと。他を受け入れ、認め、許し、その気持ちを思いやること。そうすることで間違えの無い人生が送れる』(其恕可)と答えています。今から2500年も前に孔子は『人生で一番大切なものは、『相手を思いやる心』だといっているのです。
大山先生は、今日大人にも、子供にも一番欠けているこの思いやりの心があれば、いじめは無くなり、さらに希望に満ちた人生を送れると考えたようです。