会報誌(DDKだより)
DDK Newsletter
2011年06月発行 第205号 DDKだより
金融・経営相談:「経営者以外の個人保証」原則禁止
Q. 数年前、知人の会社の事業資金借入時に連帯保証(経営に全く関与していない個人)していました。今般、返済条件変更に際し銀行(政府系)より契約書に署名捺印を求められましたが、連帯保証を断ることはできないものでしょうか。最近、第三者保証人の徴求が禁止されていると聞いていますが・・・。
今月の相談員
中小企業診断士
中小企業組合士 伊藤 勝
A.事業資金借入の際、主債務者の経営に関与していない第三者保証人は原則として求めない慣行が昨今主流となっていますので、銀行に対し経営に全く関係していない旨の説明をし、交渉すれば、保証人免除は可能です。
借入の際の個人保証問題に関しては、経営者本人及び第三者個人保証とも支払い能力を超えた保証債務を負担することが多く、生活基盤自体に大きな影響を及ぼすなど、これまで幾度となく社会問題として取り上げられました。金融庁の金融機関に対する指導・監督方針も、数年前までは「第三者保証人を求める際の合理的説明が必要」から、平成23年2月には「第三者保証人の非徴求化を求める」と一歩改善への指針となってきました。
信用保証協会保証付き融資については平成18年4月以降、下記の例外(特別の事情がある場合)を除いて第三者を保証人として求めることを禁止しています。
≪信用保証協会における第三者保証人徴求する場合の例外≫
①実質的に経営権を有している者。営業許可名義人又は経営者本人の配偶者(事業に従事している)。
②経営者本人の健康上の理由のため、事業継承する者。
③当該事業の協力者や支援者から積極的に連帯保証の申し出があった場合。但し、自発性が客観的に認められる場合に限定。
また、同年5月に政府が発表した「再チャレンジ可能な仕組みの構築」では、「信用保証協会の保証付き融資については、第三者保証人の徴求を原則禁止としたところであり、今後、この徹底を図る。また、中小公庫(当時)、商工中金についても、第三者保証人の原則非徴求を徹底する。国民公庫(当時)においては、無担保融資を基本としているところ、第三者保証人を不要とする融資についても更に拡充に努める」としています。
将来に禍根を残さないため、第三者保証が続いている方は、保証解除を銀行に求める好機です。