会報誌(DDKだより)

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2011年07月発行 第206号 DDKだより

年金相談:標準報酬月額はどのように決定される?

Q. ねんきん定期便が送られてきました。そのなかの標準報酬月額とはどのように決まるのでしょうか。給与の額と異なります。


今月の相談員
特定社会保険労務士 服部 雅恵

A.毎年誕生月にねんきん定期便が送られてきます。本人の毎月の標準報酬月額と納付額が記されており、それをもとに将来の年金額が試算されています。
 社会保険の標準報酬月額の決定には入社時の①資格取得時決定、②定時改定、③随時改定の大きく3つがあります。
①資格取得時決定:1月1日から5月31日までに資格取得した場合はその年の8月まで、6月1日から12月31日までに資格取得した場合は翌年の8月まで適用されます。
 資格取得時決定された標準報酬月額と恒常的に残業代が多い場合などは実際にもらっている給与の額と異なることになります。そのため、毎年1回見直すという意味で②の定時決定(算定)があります。
②定時改定:この手続きは『算定基礎届』と呼ばれています。毎年7月1日現在の被保険者について、4,5,6月の3ヶ月間の給与を7月10日までに健康保険組合、年金事務所等に提出し、給与の実態に合った標準報酬月額が決定されます。この決定した標準報酬月額はその年の9月から翌年8月まで適用されます。
 このほか、昇給した場合や、通勤経路が変わり通勤費に変動があったときなど固定給に変動があった場合は、③の随時改定の対象になります。
③随時改定:変動月から継続した3ヶ月間の給与の平均額から算出した標準報酬月額と従前の標準報酬月額に2等級以上の差があった場合、変動月の4ヶ月目から標準報酬月額が改定されます。
 定時決定において、毎年見直すといっても4,5,6月に病気で欠勤が多かった場合や、一時帰休による休業状態が続き給与の額が通常とは異なる場合は保険者算定になります。
 保険者算定とは、通常の方法で算定すると、算定結果が著しく不当になる場合、特別な算定方法で報酬月額を算定することをいいます。今年の算定から、新たに次の項目が追加されました。『4~6月の報酬額をもとに算出した標準報酬月額が過去1年間の月平均報酬額によって算定した標準報酬月額と2等級以上の差があり、当該差が業務の性質上、例年発生することが見込まれるとき』、申出により保険者算定されます。別途、必要書類がありますので、詳細は管轄の年金事務所等にお問い合せ下さい。