会報誌(DDKだより)

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2011年10月発行 第209号 DDKだより

年金相談:遺族厚生年金の受給要件は?

Q. 満55歳のサラリーマンです(厚生年金の被保険者)。年金はまだ受給していませんが、万が一、自分が死んだ場合、年金はどうなるのでしょうか?


今月の相談員
特定社会保険労務士 服部 雅恵

A. 老齢厚生年金の保険料を長年かけて、何も受給できなければ掛損になってしまいます。厚生年金の被保険者が万が一、死亡した場合、死亡時に生計を維持されていた遺族に遺族厚生年金が支給されます。ただし、次の要件に該当する場合です。
<支給要件>
1. 厚生年金保険の被保険者が在職中に死亡
2. 厚生年金保険の被保険者でなくなった人が、在職中の傷病が原因で初診日から5年以内に死亡
3. 1級か2級の障害厚生年金の受給権者が死亡
4. 老齢厚生年金の受給者・受給資格期間のある人が死亡

 上記の1.2に該当する方はさらに、死亡日の属する月の前々月までの全被保険者期間のうち保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が3分の2以上必要です。ただし、平成28年3月31日以前に死亡日のある場合は、死亡日の属する月の前々月以前の1年間に保険料を滞納していなければよい特例措置がとられています。
 これらに該当した場合、報酬比例部分の年金額の4分の3が支給されます。
 
 遺族の範囲と受給順位は、1.配偶者(夫は55歳以上)・子(18歳未満*)、2.父母(55歳以上)、3.孫(18歳未満)、4.祖父母(55歳以上)です。18歳未満の子のある妻または子は遺族基礎年金も受けることができます。
 配偶者が受給する場合で、在職中の死亡また20年以上の被保険者期間のある年金受給者の死亡時に40歳以上の妻は、65歳になるまでのあいだ中高齢の寡婦加算がつきます。妻が65歳になると、経過的寡婦加算となり逓減されます。

*18歳未満とは、18歳になった年度末(3月31日)までの期間です。