会報誌(DDKだより)

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2012年01月発行 第212号 DDKだより

年金相談:雇用保険の給付と年金との調整について

Q. 年金を受給している63歳の会社員です。会社を退職することになりました。失業給付をもらいながら年金ももらえるのでしょうか。


今月の相談員
特定社会保険労務士 服部 雅恵

A. 特別支給の老齢厚生年金(以下、年金)をもらいながら、気長に再就職先を探そうという気持ちはわかります。しかし注意して欲しいのは、年金を受給している方(60歳代前半の方)が、失業給付を受けようとすると、失業給付が優先され、老齢厚生年金・退職共済年金は支給停止されることです。「失業給付を受けようとする」とは、実際に失業給付を受給したかどうかではなく、求職の申し込みを行った時点で支給停止されてしまいます。
 求職の申し込みを行った日の属する月の翌月から失業給付の受給期間が経過した日の属する月または所定給付日数を受け終わった日の属する月までを調整対象期間といい、この期間に失業給付を受けた日およびそれに準ずる日が1日もない月があった場合には事後清算が行われます。失業給付は1日単位、年金は月単位で支払われるため、不合理が生じないように調整されます。ただし、調整対象期間後に以下の式により清算されるので注意が必要です。

支給停止解除月数=失業給付の支給対象日数/30 (1未満の端数は1に切り上げ)
 
 再就職を考えていない場合、安易に求職の申し込みはしない方が得策です。ご自身の年金額と所定給付日数・日額は退職理由・被保険者期間により異なります。イメージ図の通り、年金の支払月と事後の精算をふまえ、ハローワークに行かれる前に年金事務所で相談されるのも一案です。