会報誌(DDKだより)

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2012年10月発行 第221号 DDKだより

年金相談:国民年金保険料の後納制度の創設について

Q. 国民年金の未納期間があります。年金事務所に払いたい旨相談しましたが、2年以上前の未納期間だったため受け付けてもらえませんでした。何か対策はありますか?


今月の相談員
特定社会保険労務士 服部 雅恵

A. 国民年金保険料は納期限より2年を経過した場合、時効によって納付することができなくなります。しかし、10月1日より後納制度が創設され、平成24年10月1日から平成27年9月30日までの3年間に限り、過去10年間の納め忘れた保険料(平成14年10月分~)について納付することが可能になりました。
現在、国民年金を受給するためには、納付済期間及び免除期間等の合計が原則25年(300月)必要です。未納期間の保険料を納めることで、①年金額が増やせるだけでなく、②期間不足が解消され年金受給資格を得られる、場合があります。
上記②のように、老齢基礎年金の受給権がなく過去10年以内に未納期間がある方を対象に、後納制度に先行して年金事務所より「国民年金保険料の納付期間延長のお知らせ」が届いています。後納制度を利用しない場合、手続きは不要です。後納することにより、どれだけ年金額が増えるか知りたい場合は「ねんきんネット」で試算ができ、1か月の納付で増額される年金額の目安は年額1,638円(平成24年度価格)です。
後納保険料はその対象年度の国民年金保険料額+加算額(過去3年度以前の期間の場合)が課されます。納付方法は、一括・1か月~6か月ごとと選べますが古い期間から先に納めることになります。
この制度は、すでに老齢基礎年金を受給している方(繰り上げ受給含む)は申込できません。利用できるのは時効が経過して納付できなくなった国民年金保険料で承認日の属する月前10年以内のものであって、次の方が対象です。
1.20歳以上60歳未満の方で10年以内に納め忘れの期間や未加入期間のある方
2.60歳以上65歳未満の方で1の期間のほか任意加入中に納め忘れの期間をお持ちの方
3.65歳以上の方で年金受給資格がない方または任意加入中の方
平成14年10月分は今月末日に期限が到来します。
制度を利用したい方は、年金手帳または基礎年金番号のわかるものを持参して、お近くの年金事務所にご相談ください。