会報誌(DDKだより)

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2012年11月発行 第222号 DDKだより

金融・経営相談:印紙税の課税、不課税の判断のポイント

Q. 機械装置を購入するにあたり売買契約書を結びましたが、この契約書には印紙は添付しなくてもよいと言われました。どうして貼らなくていいのか、印紙税の基本的な考え方を教えてください。

今月の相談員
税理士 平石 共子

A.印紙税は、経済取引に関連して作成される文書のうち、印紙税法の課税物件表に掲げられた特定の文書を課税対象としています。つまり、課税物件表には、第1号から第20号まで課税される文書が載っているのですが、これらの文書に該当しなければ、印紙税は課税されないということです。
第1号に掲げる文書に不動産等の譲渡契約書がありますが、ご質問の機械装置の売買契約書は、物品の売買ということですので、課税文書には該当しないということになります。これを「不課税文書」と呼びますが、「これが不課税文書です」という一覧表はないということを覚えておいてください。契約書だからといってすべて印紙を貼らなければならないわけではなく、例えば建物賃貸借契約書について印紙税は課税となりません。
逆に、契約書という名称でなくても、例えば「注文書」、「覚書」などもその内容によって判断することになります。注文書は、請負契約書に該当することが考えられます。請負とは、当事者の一方がある仕事の完成を約して、相手方がその仕事の結果に対して報酬を支払うことを内容とする契約なので、文書のタイトルではなく判断します。
最近は、インターネットで注文書も見受けられますが、この場合、印紙税は対象外です。あくまでもペーパーで作成された文書ということです。
また、納付の仕方も印紙税は特殊で、原則として作成した文書に印紙税の相当する収入印紙を貼り付けて、これに消印をすることで納付したことになります。消印は、文書の作成者又は代理人、使用人その他の印章又は署名で印紙を再使用できなくします。契約者が複数いるときは、どちらか1人で差し支えありません。
なお、印紙を貼らなかった場合には、印紙税法上の違反にはなりますが、文書の効力そのものには影響はありません。
反復、継続的に作成している文書については、印紙税が課税になるか、ならないかの判定を見直してみることも必要です。内容を変更することで、印紙が不要になるケースもあります。その際は、税理士などの専門家に相談するようにしてください。