会報誌(DDKだより)

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2012年12月発行 第223号 DDKだより

巻頭言:政治は変わるか



富塚 孝

「近いうちに」と言ったためにウソツキと言われたくないドジョウ首相は「自縄自縛解散」に踏み切った。いや、追いこまれたと言う方が正しいだろう。
2008年8月30日が投票日だった第45回総選挙で政権交代となった。民主党が64%の議席を占める圧勝だった。多くの国民が、特に民主党に投票した人々は国民生活が良い方向に変わるであろうと期待した。その結果は、今回の解散までの三年半が物語っている。
民主党から自公連立政権に戻るのもどうか、そうはさせまいと「第三極」が出てきたようにマスメディアは報じている。解散した日の朝日新聞の世論調査は支持政党なしという、いわゆる無党派層が60%を占めているという。無党派層または支持政党なし層はバブル経済崩壊後から増えてきたそうだ。そのころから農協や労組、各種業界団体の構成員が減少し始めたことが影響していると言われている。誰に投票したって「政治は変わらない」という虚無感と政治には無関心という層が増えているのである。
今回の総選挙ほど国民の誰にとっても大きな影響がある問題への回答と、今後の政治の方向が問われている選挙はない。消費税増税を実施するかやめさせるか、TPPに参加するのか、原発を廃止するか再稼働させるか、社会保障と税の一体改革をすすめるか、少子高齢化と年金をどうするか、米軍基地をなくせるか、その根本にある日米同盟を続けるか、選挙制度は今のままでよいかなどなど、どれをとっても生活に直結する大問題である。
政党と候補者は話のうまい人が多い。政党と候補者がどういうことを言っているかではなく何をしてきたか、行動をチェックすべきだ。口ではどうとでも言えるし、白を黒ともいう論理がまかり通るのはいつの世も変わらない。
主権者である国民が一人一票の選挙権を行使することで政権が決まる。これまで以上にじっくりと考えて投票先を選ばなければならない。