会報誌(DDKだより)

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2013年04月発行 第227号 DDKだより

巻頭言:日本の強さを途上国から学ぶ


河原 八洋

昨年場違いだと思いながら、外務省国際協力局の話を聞きに行った。国際協力局の大きな仕事は、ODA(政府開発援助)で途上国を援助することである。
このODAの受け皿になっているのが、日本の大企業である。これを中小企業に活用して貰いたいというのが会合の趣旨である。
何故かというと、ODAを受ける側の国から『中小企業の進出や支援を受けたい』との要望があるとの事だ。特にアジアでは、自国の成長戦略を立てるに当たり、戦後、日本が、繊維、家電、自動車と次々に時代を牽引する産業を生みだし、復興を遂げてきた要因を、高い技術と旺盛な事業開発力を持った、膨大な数の中小企業群にあると分析している。
大きな工場の進出や先端技術を導入した施設を作って貰っても、使いこなす事が出来なかったり、一時的に雇用は確保されるものの50年後、100年後に国家に根付き、礎になるのは中小零細の企業群を創ることだと考えているという。
実に正しい考えだと思った。
その様な事が有り、2月に同友会豊島支部の企画でミャンマーに行ってきた。
長引く軍事政権下で、経済制裁を受け07年にはデモの取材をしていた日本人カメラマン長井健司さんが亡くなる事件もあって 、少し暗い思いを持っていたが、全く違っていた。ヤンゴンは昔栄えた町なので、建物は古いが、市場は大きく新鮮な野菜と果物が豊富だ。道路は日本の中古車でいっぱい、少し広い処は、車のフリーマーケットになっており、持ち主と金額が書かれて貼ってある。自転車とバイクを制限しているので北京の様な混雑にはなっていない。関税が高いが車は大変なブームだ。日本には少なくなったが、今この国で必要とされるのは車の部品販売と修理工場だと思った。スマホや薄型TVが普及しているが、水道や下水処理が昔のままだ。まさに中小企業の分野であり我々が必要とされるところが多くあると感じた。