会報誌(DDKだより)

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2015年10月発行 第257号 DDKだより

制度改正のお知らせ:社会保障分野におけるマイナンバー制度導入について

Q.社員50人の小売業です。来年の1月からマイナンバーの利用が始まると言われていますが、まず何をするべきか教えて下さい。

今月の相談員
特定社会保険労務士 服部 雅恵

A.マイナンバー制度は社会保障・税制度の効率性を高め、国民にとって利便性の高い公平・公正な社会実現を目的として導入されます。
 まず来年1月以降の入社・退職の雇用保険手続きの際にマイナンバー(個人番号)を記載して届出ることになります。新たに雇用保険の事業所を設置、もしくは廃止された際は法人番号を記載して届出ます。法人番号は個人番号とは違い、原則公表され自由に利用可能です。一方、個人番号については厳密な管理が求められているため注意が必要です。社会保険の手続きは平成29年1月から予定されています。
 今月5日以降、住民票住所地に簡易書留で個人番号が記載された通知カードが世帯単位で送付されます。そのため実際の利用は早くて来年であっても、社員の皆さんに必ず受領すること、また紛失しないよう注意喚起されておくことをお勧めします。通知カードは順次送付されるため、11月末を目途に届いていない社員がいないかどうかの確認も必要です。
 事業者の方は実際にその番号を利用する個人番号関係事務実施者として、個人番号の取得、提供、保管、廃棄のルールを定め、管理していくことになります。但し、従業員100人以下の中小事業者であって、委託に基づいて個人番号関係事務等を扱わない事業者などは安全管理措置に特例があり、取扱規定等の書面化を猶予されています。
 ご質問者の方はまず取扱担当者を明確にし、下記の点に注意しながら、準備を進めてみてはいかがでしょうか。

1.利用目的を明示して取得する
 法律で定められた社会保障と税分野以外での個人番号利用は禁止されています。自社に即した利用目的を記載した書類の掲示や就業規則へ明記し、取得します。
2.取得する際には本人確認をする
 本人確認とは?番号確認(通知カード、個人番号カード(28年1月以降)、個人番号記載の住民票の写し)と?身元確認の二つです。?は免許証などの写真付証明書で行います。既に在籍していて人違いでないことが明らかなときは、身元確認は不要とされています。
3.利用・提供
 すでに在籍している方の個人番号を職安に届出る方法・時期は未定です。
4.保管・廃棄
 個人番号が記載された書類は鍵付の金庫に保管するなど厳重に管理が求められます。パソコン内に保管する場合はセキュリティ対策が必須。今後は保存期間が過ぎた個人番号は速やかにシュレッダー等復元不能な廃棄・削除が必要です。