会報誌(DDKだより)

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2016年02月発行 第261号 DDKだより

金融・経営相談:事業所得と給与所得の区分のポイント

Q.当社は建築業を営んでいますが、現場は当社専属の職人に、いわゆる常用外注として働いてもらっています。同業者から、税務調査で常用外注は給与ではないかと指摘されるケースがあると聞きました。給与と認定されないポイントを教えてください。

今月の相談員
税理士 平石 共子

A.常用外注を個人事業者とみるか、給与所得者とみるかによって税務上の取扱は大きく違ってきます。
 使用者の立場からは、
?事業であれば支払額にかかる消費税の仕入税額控除、つまり支払う消費税を減らすことができるが、給与は消費税の対象外なので仕入税額控除はできない
?事業は請負契約になるので源泉所得税は差し引いて納める必要はないが、給与は所得税の源泉徴収が必要
?給与の場合には、労働保険、社会保険の加入が必要となるが、事業であれば加入の必要はない
 もし、外注費を給与と認定されてしまうと、消費税の納税と源泉所得税の納税がダブルで発生することになります。したがって、外注費として認められるための対策をきっちりとしておく必要があります。
 また、働いている人の立場からは、個人事業者であれば収入金額から必要経費を引いて所得を計算して確定申告をすることになりますが、給与所得者の場合は必要経費ではなく給与所得控除を差引くことになり、会社の年末調整で納税は完結します。

 ここで、それぞれの定義を確認しておくことにしましょう。
 事業所得は、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業から生る所得です。事業と判定できる要件とは次の3つです。
・自己責任で行われている(出来高制など報酬が成果で定められている。必要な費用は自分で負担している)
・営利性があること
・反復継続していること
 給与所得は、俸給、給料、賃金、歳費及び賞与並びにこれらの性質を有する給与に係る所得です。具体的な要件は次の4つです。
・雇用契約が存在すること
・使用者の指揮命令に服する
・使用者からの空間的及び時間的な拘束を受ける
・職務上の費用が使用者の負担となる

 以上のことを踏まえて、外注費として認められるためには、責任の所在などについて、会社と外注事業者との間で同意書をかわしておくとよいでしょう。また、外注事業者から請求書を毎月作成してもらうことです。
 具体的には、会計事務所の担当者にご相談ください。