会報誌(DDKだより)
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2016年08月発行 第267号 DDKだより
巻頭:『不適切だが違法ではない』
河原 八洋
今、東京都知事選の真最中です。
18歳、19歳の新たに選挙権を持った若者の「参議院選には行かなかったが、都知事選には投票に行く」と言うような記事が新聞紙面に写真付きで踊っています。投票率が上がって、新都知事が期待に応えてくれることを望みながら書いています。これが発行される頃には新都知事が決まっている事でしょう。
「不適切だが違法でない」は今回の選挙の原因をつくった舛添前都知事が依頼した、第三者委員会が示した見解です。ここに私は大きな問題があると思います。「不適切だが違法でない」は大きな間違いで、「不適切なものは違法にしなければならない」と思います。
「不適切」でも違法にしないのは、「不適切」なことをする人達がそれを取り締まる法律を作っているからだと思います。政治資金規正法などは、政治家に作らせては自分達に都合のいいように作ります。学者や裁判官によって立案して、骨抜きにならぬ様に立案元の拒否権を付けて議会に上げるような仕組みを考えられないものでしょうか。
また今回もそうでしたが、第三者委員会をあたかも公平な機関かの様に見せることが横行しています。東芝しかり、東京電力しかりです。当事者からお金を頂いてつくられたものを「第三者委員会」と呼ぶ方が間違いだと思います。
これらに比べると、英国のイラク戦争参戦を調査している「独立調査委員会(チェルコット委員会)」の報告書は「フセイン政権の武装解除を平和的な方策を尽くす前に侵攻に参加した事と軍事行動は、当時最後の手段ではなかった」と明確に自国政権の誤りを指摘しています。その後のISをはじめ、多くのテロや地域の混乱の基になっている現在を考えると、誰もが納得できるものではないでしょうか。当時日本も派遣し加担していたのに、テロが起きても日本の責任に触れる人は誰もいません。
都知事の疑惑についても、辞任を表明すればそこで打ち止めです。あんなにしつこく追い回した問題は何ら解明されないままです。
この様なやり方では、不祥事はくり返され再発防止は出来ないと思います。