会報誌(DDKだより)

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2017年07月発行 第278号 DDKだより

年金相談:受給資格期間が25年から10年に短縮

Q.昭和30年6月生まれの自営業の男性。会社員として厚生年金保険に10年間加入。生活に余裕ができてから国民年金を払おうとは思いましたが、払い損になるだろうと結局納付しませんでした。こんな私でも年金はもらえるのでしょうか?

今月の相談員
特定社会保険労務士 服部 雅恵

A.老齢年金を受給するためには国民年金、厚生年金保険や共済組合等の加入期間(保険料納付済み期間・保険料免除期間等)が原則25年以上必要でした。
 平成29年8月1日からは25年必要だった資格期間が10年以上あれば老齢年金を受け取れるようになりました。当初、資格期間は消費税の10%引き上げ時期に合わせて短縮される予定になっていましたが延期、再延期となり、引き上げを待たずに10年に短縮されました(平成29年8月1日施行)。
 相談者の方は62歳、厚生年金保険に1年以上加入していましたので報酬比例部分の老齢厚生年金も62歳から受給できることになります。ただし、8月に受給権が発生しますので初回の支給は10月(9月分)になります。65歳からは老齢基礎年金と老齢厚生年金が受給できます。
 資格期間が10年以上25年未満の方で受給の可能性のある方は生年月日に応じて既に順次日本年金機構から短縮用の年金請求書が送付されていますので、請求手続きをお忘れなく。国共済、地共済及び私学共済に加入した期間がある方には、生年月日に関係なく、6月下旬~7月上旬に年金請求書が送られます。短縮用の年金請求は郵送ではできません。必ずご本人(代理人)が必要書類を揃えて予約の上、お近くの年金事務所等に提出してください。
 なお、遺族基礎年金や遺族厚生年金の長期要件は従来通り25年です。また老齢基礎年金の額は納付した期間(月数)に応じて決まり、40年(480月)納付してはじめて満額が支給されます。年金額を増やしたければ、(1)65歳未満の方は60歳から65歳まで任意加入をする、(2)過去5年間に保険料の納め忘れがある方は後納制度を利用する(平成30年9月まで)、といった制度がありますのでご利用ください。