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会報誌(DDKだより)

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2018年01月発行 第284号 DDKだより


巻頭:たった二日の師走


椎名 敬一

 あけましておめでとうございます。皆様には、平成30年のお正月をお健やかにお迎えのこととお喜び申し上げます。
 昨年12月に今上天皇陛下が平成31年4月30日に退位され、5月1日皇太子殿下が天皇陛下に即位されることが決まりました。どんな元号になるのかとても興味深いところです。
 さて、今年は明治維新150年に当たります。徳川幕府の360余年の治世が終わり、天皇制が復活し立憲君主制の下、180度の大転換を図りました。それだけではなく文明開化の掛け声のもとあらゆるものが西洋風に変えられていきました。
 暦も例外ではありませんでした。早々に西洋文化を取り入れようとした時代には、先進大国との交渉も増えていきます。そんな矢先に困ったことは旧暦の存在でした。旧暦を太陽暦に換算したり、十二辰刻を24時間法に換算するのは大変面倒なことでした。世界に通用する暦と時刻法を整えることは、欧米に追いつけ追い越せと、富国強兵に邁進していた日本にとって、政治上急務でした。
 明治5年11月9日、それまで長いこと使われてきた旧暦の「太陰太陽暦」から新暦の「太陽暦」への変更が布告されました。そして明治5年12月2日の翌日がいきなり新暦の明治6年1月1日に。布告から1ヶ月もない慌ただしさで、しかも12月はたった二日で終わってしまったのです。?師走″も何もあったものではありません。すでに販売されていた旧暦の暦はすべて紙屑となり、世の中は上を下への大騒ぎとなりました。
 これほどのドタバタ劇の裏には、明治政府の大変な財政危機があったと言われています。太陰太陽暦である旧暦は、19年に7回閏月があり、閏月がある年は一年が13カ月になります。明治6年はまさしくその13カ月になる年でした。政府は明治4年に役人の給料を年俸制から月給制に変えていました。役人の「給料を13回支払わなければならない。いっそ太陽暦を採用すれば12回で済む。」さらに「明治5年の12月も二日しかなければ、12月の給料も支払う必要なし」と考えたのです。こうして2ヶ月分の給料を支払わずに済ませました。これがドタバタ改暦の真相だったとか。
 この改暦では、政府はほとんど広報活動をしてこなかったので、世の中は大混乱。機を見るに敏な福沢諭吉は改暦の参考書を出版し、飛ぶように売れたそうです。流石は諭吉様。
 一時的に庶民の年中行事はメチャクチャになったに違いありませんが、150年たった今、新暦とうまく折り合いをつけて各地で根強く残っています。郷土愛を強く感じます。
 平成からの改元は穏やかに祝福と感謝の中で行われることでしょう。
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