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会報誌(DDKだより)

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2018年02月発行 第285号 DDKだより


人事労務相談:社員の給料を下げることができますか?

Q.社員の給料を下げるには、就業規則上の制裁として、労働基準法第91条の減給規定を限度として可能と聞きましたが、それ以外には社員の給料を下げることはできませんか。

今月の相談員
経営コンサルタント
社会保険労務士 石田 仁

A.減給の制裁は、本来支払わなければならない給与(債務として)を社員への懲戒処分の一つとして、一部支払わなくてよいとする制度です。しかし、この制裁があまりにも恣意的に行われると給与の全額払いの制度趣旨に反してしまうので、減給の限度が制限されています。その上限は、一回の事案につき、平均賃金の1日分の半額以下及び月給の10分の1以下です(労基法第91条)。
 ところが、減給そのものは、制裁でなくても、人事考課で低い評価に判断される場合にも起こりえます。もちろん、就業規則としての賃金規程や人事考課規程に明記されていなくてはなりません。例えば、課長が2期連続、最も劣るD評価をとった場合には降職となる規定があれば、課長職を解かれ、課長手当分が下がります。また、基本給部分についても下がる規定になっていれば減給となります。しかし、この減給はその人が課長としてふさわしい能力、職責を果たしたかどうかの評価であり、たとえ多少の不祥事に対する減点が含まれていたとしても、懲戒処分としての減給ではなく、経営上の人事評価の結果にすぎません。
 判例も運転手から助手に格下げとなった事例につき「賃金の低下は、その労働者の職務の変更に伴う当然の結果であるから、法第91条の制裁規定の制限に抵触していない」と判断しています(昭26.3.14基収518号)。ただ、降職は名ばかりで、実際には以前と同様に課長職としての職務内容を継続している実態があれば、実質的な減給とみなされ労基法上の減給の制裁とみなされてしまいます(昭37.9.6基収917号)。
 いずれにしても、給与は社員にとり最大の関心事です。人事考課の結果により給与の引き下げが行われるにしても、収入の急激な低下をもたらさないように緩和措置に努めて欲しいと思います。
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