会報誌(DDKだより)
DDK Newsletter
1999年02月発行 第57号 DDKだより
金融相談:「旧債振替」の禁止とは
Q. DDKだより1月号(“聞いて聞いて”欄)に、信用保証付融資による「旧債振替」は禁じ手とありました。わかりやすく説明して下さい。--------------------------------------------------------------------------------
今月の相談員
理事 亀井 賢伍
商工中金出身
元第一経理経営相談室長
A. 特別保証(安定化)に限らない
お尋ねの記事は「貸し渋り対応特別保証」付融資(「安定化」)について注意を喚起したものですが、「旧債振替」禁止は、この特別保証に限らず信用保証付融資全般に言えることです。
最近、話題になったのは、この特別保証を、銀行が自行の債権回収に利用する「悪徳商法」が目に余ったからです。
「旧債振替」とは
旧債とは銀行がすでに融資している貸出を指します。「旧債振替」とは、新しい保証付貸出(「新債」)で既往貸出金(「旧債」)を回収することです。肩代わりとかつけ替えとも呼ばれています。
直接の振替回収だけでなく、従来、認めてきた単名貸出のコロガシ(ロールオーバー)を中止し返済を迫ることも含め、実質的に解すべきです。
「旧債振替」は原則禁止
銀行と信用保証協会との間の基本約定書には旧債振替の制限(原則禁止)条項があります。〔注〕
これに違反した場合、協会の保証責任は免責されます。
この制限がないと銀行は、協会をゴミ箱として利用するでしょう。住専がいい例です。原則禁止となっているのは、金利や返済条件が借り手に有利になるケースについて例外的に認めることがあるからです。
なお今回の特別保証付融資による「旧債振替」については、借り手企業の意思確認を書面で行うなど、いっそう厳格な手続きが定められています。
〔注〕(旧債振替の約定書制限)
第3条 乙(取扱銀行)は甲(保証協会)の保証に係る貸付(以下被保証債権という。)をもって、乙の既存の債権に充てないものとする。
但し、甲が特別の事情があると認め、乙に対し承諾書を交付したときは、この限りでない。
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