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会報誌(DDKだより)

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2019年08月発行 第303号 DDKだより


巻頭:メディアの役割


沼田 道孝

 6月13日ホルムズ海峡で日本の商社がチャーターしたタンカーが攻撃を受けた。その日のNHKテレビニュースでは、飛来物で攻撃を受けたと報じた。翌日の新聞では、魚雷を受けた、イランの機雷攻撃、単に攻撃とするものもあり、新聞三紙を購読しているがすべて違った。アメリカは、すぐにイランによる攻撃と主張。海外メディアは、安倍首相がイランを訪問しているときに起きた事件で、素人外交と揶揄した。はたして真相は明らかにされるのであろうか。海外で起きたことで、様々な解釈と日本にとって今後重要な経済的な石油のリスクになると言われ、その影響力は大きい。
 このように、メディアの立ち位置で私たちの判断が大きくぶれてしまうことが往々にしてある。国内の出来事であれば、これでもかというぐらいに時間をとり、センセーショナルに、刺激的であればあるほど繰り返し報道をする。これでいいのか疑問になるときがある。
 一方で子供の虐待問題や、高齢者の事故など、表面的なとらえ方だけでなく、体罰や育児放棄、子供の貧困などへのアプローチ、高齢者については過疎や買い物難民等、視点を深めて展開しているものも見られる。しかしながら、その根幹に関わる政治、社会的な貧困の原因などへの深いアプローチなどなかなか見られない。政治や権力者への批判は難しいと理解されるが、それではマスコミの本来の役目が失われてしまう。戦後のマスコミは、戦前の大本営発表のもとに、国民を戦争に駆り立てた罪を「懺悔」したはずではないだろうか。
 メディアは、権力者としての与党・政府へ国民目線できちんと批判をする。政治の襟を正す。民主主義を基本から守り発展させる役割があるはずだ。「モリ・カケ」と言われた官僚の忖度事件は、日本の政治と政府官僚のゆがみを象徴して、立憲主義の根幹を揺るがす様相を呈したにもかかわらず、参議院選挙の争点としては誠に相応しい扱いになっていなかった。
 情報があふれ、SNSが飛び交い、フェイクニュースも当たり前のように政府から出される。真実を見極める努力を惜しまずに行うためにも、メディアには戦後の決意を思い出してほしいと切に願わざるを得ない。
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