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会報誌(DDKだより)

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2019年09月発行 第304号 DDKだより


金融・経営相談:金融機関の融資先への対応が変わる!?―大きく変わる金融行政―

Q.地銀において、金融円滑化法による借入金返済緩和の措置を継続してもらっています。最近金融庁の方針が大幅に変更、銀行の融資先へのスタンスが大きく変わると言われています。どのような影響が予想されますか。今後の銀行対応へのアドバイスを含め教示ください。

今月の相談員
中小企業診断士
中小企業組合士 伊藤 勝

A.借入れを必要としている企業にとって、今後金融機関の二つの大きな転換に注視していく必要があります。
 一つは、金融庁が金融機関を検査する際の手引き書である「金融検査マニュアル」(*)が廃止されることによる中小企業への影響です。
 従来の金融機関による融資先の信用格付け(債務者区分)が、今後金融検査マニュアルの判断基準ではなく各金融機関の独自の判断で、基準を変更できるようになります。2013年3月の金融円滑化法の期限が切れ6年が経過しましたが、金融機関はどこも金融円滑化法措置(貸し出し条件を緩和しても債務者区分を下げないことが認められていた)が続いています。借入先の多くは救済された反面、銀行には、金融庁より「過度なリスクが積み上がっている」とみられています。
 低収益による銀行の経営環境悪化が進む中、借入先には今後融資支援の中止など厳しい選別への変更が出てくるものと思われます。
 もう一つは、「事業性評価融資」促進への転換です。

 最近、金融庁は金融機関に対し財務データや担保・保証に必要以上に依存することなく、借り手企業の事業の内容や成長可能性などを適切に評価し(事業性評価)、融資や助言を行い、企業や産業の成長を支援していく事を強調しています。多くの中小企業は、資本金代わりに銀行融資に依存する必要があります。この融資が促進されることは、中小企業にとって大きな後ろ盾となり朗報です。 
今後の金融機関対応
 金融行政が大きく変わろうとしている中、今後の信用格付けのランクアップのため、金融機関のヒアリングでは、改善計画に基づく財務データの報告は元より数字に表れない技術力や販売力など企業の強みをしっかりアピールして銀行に認めてもらうことが大事です。
 銀行と上手く付き合う上で、会社の財務分析に精通している顧問税理士さんにも銀行交渉に同行してもらうなど協力を求めることが肝要です。

(*)「金融検査マニュアル」は、かつてのバブル崩壊に伴う不良債権の増大によって、金融機関の経営が悪化したことを契機に経営の健全化を図るため作成されました。金融庁は融資先企業の格付け(債務者区分:正常先、要注意先、破綻懸念先、破綻先)により債務者区分に応じて貸倒引当金を計上することを、金融機関に求めてきたため、過去には貸しはがし貸し渋りが社会問題化した時期もありました。
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