会報誌(DDKだより)

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2019年10月発行 第305号 DDKだより

巻頭:青少年よ、外から日本を見よ!


青木 正

 いま国際情勢が混沌としている。日韓問題、米中貿易摩擦、米朝問題、香港情勢、英国のEU離脱等々、どれをとっても解決の糸口さえ見出せていない現状において、先ごろ発足した新内閣の対外舵取りは容易ではないだろう。まず、国家間に横たわる問題について、双方の実務者級レベルの官僚が公式に会合を持つ前段階として、有力ロビイストたちの人脈を駆使した用意周到な根回しが欠かせないという。
 日本は‘ロビー活動’が上手じゃないと言われている。米国では法に基づいて、約3万人のロビイストが正式登録されており、世界で一番のロビイング先進国である。我が国も有能なロビイストを長いタームで育てていく必要があり、そのためには青少年期の多感な頃から広く海外に出して、日本を客観的に外から見る経験を積ませることが急務であろうと思う。
 米国のロビイストたちは、コンサル系やシンクタンク系出身者が多いが、日本はキャリア官僚や政治家出身者が多い。私の親族にも、その経歴からロビイストになった人がいたのでとてもよく解る。日本の有望なキャリア官僚は、入省後2~3年の国内勤務を経た後に役所の推薦で国費留学し、30歳を過ぎたあたりで在外公館勤務を経験する。しかし、それではまったくもって遅すぎるのだ。もっとも多感な青少年期に、海外の将来性のある青少年たちと交友関係を持ち、彼らの考え方を肌で感じ、外から日本を見るという国際感覚を身につけることが重要である。そのようなチャンスを親が与えられないのなら親族が、地域が、自治体が、国が与えていけるようにしないと、日本はいずれ後進国になってしまうだろう。
 ことロビー活動において、日本は中国や韓国より劣っていると米国在住の日本人大学教授が語っていた。その一番の原因は、まぎれもなく青少年期における外国語会話教育の著しい遅れだ。つまりロビイストの活動は、時にシークレットに通訳なしで行わなければならない機会が多く、自分の言葉で直接伝えることが必要とされる。それと青少年期に肌で感じた経験による国際感覚が身についていないことにも起因しているとの実に鋭い指摘だ。つまり他国の国民感情が、思考が、根本から理解できないので、相手が日本のために動いてくれないのだ。
 青少年よ、外から日本を見よ! 多感な時期に外の世界を肌で学ぼう。 君たちの経験が、またいつの日か再び輝く日本を創造してくれると信じている。