会報誌(DDKだより)

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2019年11月発行 第306号 DDKだより

金融・経営相談:10月1日から消費税の区分経理・ 区分記載請求書等保存方式が必要となる

Q.この10月1日から消費税の経理処理は区分経理、帳簿保存は区分記載請求書等保存方式に変わったということですが、今までとの違いを教えてください。

今月の相談員
税理士 平石 共子

A.ご承知の通り、この10月1日から消費税の税率が8%から10%に引上げられました。これと同時に、軽減税率制度といって飲食料品と新聞については8%の税率とする複数税率が導入されました。
 今までは一つの税率だったのでことさら8%と記載がなくてもわかりましたが、今度はそうはいきません。そこで、区分経理をし、請求書等も税率の表示が必要になりました。
 区分経理とは、取引を税率ごとに区分して記帳することで、会計ソフトを使用している場合は、税率ごとに区分して入力することになります。飲食料品を取り扱っている事業者は売上も仕入も軽減税率8%が出てくるので、勘定科目で区分するなどの工夫が必要です。そのほかの事業者は、交際費、会議費、福利厚生費などで、コーヒーやお茶、お弁当など、飲食料品を贈答した場合、定期購読している週2回以上発刊される新聞代が8%になります。
 区分記載請求書等保存方式とは、消費税の仕入税額控除するためには、区分経理に応じた帳簿および請求書等の保存が要件となるということです。今までは、帳簿および請求書等の保存が要件となっていました。 
 請求書等には、請求書のほか納品書、領収書、レシートが含まれます。
区分記載請求書等には、(1)発行者の氏名または名称、(2)譲渡等を行った年月日、(3)軽減税率対象資産である旨、(4)税率ごとに区分して合計した対価の額(税込金額)、(5)書類の交付を受ける事業者の氏名または名称を記載します。レシートの場合は、(5)は省略できます。
 この5つの記載が必要となっていますが、10%の税率の取引しかない事業者は今まで通りで問題ありません。
 では、区分記載請求書等に不備があった場合には、前述の(3)軽減税率である旨と(4)区分した対価の合計額のみ、もらった側で追記できるとしています。
 なお、取引額が3万円未満の場合や自動販売機からの購入など請求書等を受け取ることが困難な場合は、これまで通り帳簿に「仕入年月日」「仕入の内容」「税込み仕入金額」を記入しますが、これに加えて「軽減税率対象資産の譲渡等である旨」を記載する必要があります。例えば「自販機によりお茶6本購入」と記載すればよいでしょう。