会報誌(DDKだより)
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2022年08月発行 第339号 DDKだより
巻頭:大切なこと
沼田 道孝
参議院選挙の結果、自民党が圧勝、単独で参議院の過半数を占めることに。選挙戦、最終盤に安倍元総理が凶弾に倒れるという痛ましい事態が生まれ日本中を震撼させました。岸田総理は安倍元総理が力を入れ達成できていない困難な政策の実現に全力を尽くすと表明しています。
選挙後、日経新聞の一面ではその表明を受け、「改憲発議できるだけ早く」「首相物価対策最優先」と見出しを付けました。野党を含めた改憲派の4つの政党が改憲発議に必要な三分の二以上の議席を衆参両議院でも占めています。すでに安保法制定以来、「存立危機事態」と認識されれば、集団的自衛権の発動で米軍の戦争に巻き込まれます。さらに改憲案が通れば、自衛隊の海外派兵への歯止めがなくなります。
ロシアがウクライナに侵攻した時、21世紀にこのような無謀な侵略が行われるのかと大変なショックを受けました。無謀な戦争を進めるために戦前の日本のような国民へのプロパガンダがあります。ロシアへの経済制裁と同時に侵略への恐怖から、軍事力増強へ向け、GDP2%、10兆円を超える防衛費の増額が叫ばれています。
ウクライナの現実は、戦争が起これば多大な市民の犠牲が生まれることを示しています。外交の失敗が戦争です。戦争は起こしてはならず、国連の真の改革、さらに東アジアの包摂的な外交の枠組みを作る必要があります。
東京新聞の論説主幹豊田洋一氏は「選挙は終わったが、私たち有権者は引き続き政治に関心を持ち続け、間違った方向に進めば声を上げなければならない。選挙が『白紙委任』ではなく、権力の暴走を見逃さない決意を、折に触れて政治の側に知らしめる必要がある」と書いています。肝に銘じておきたいと思います。