会報誌(DDKだより)

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2022年08月発行 第339号 DDKだより

金融・経営相談:ー自然災害や感染症に備えるー「事業継続力強化計画の認定制度」とは

Q.飲料メーカーとして、約50年事業を続けてきましたが度重なる自然災害やコロナ危機に遭遇し、従業員や家族、お取引先等に多大な迷惑をかけ一時苦境に陥りました。今後の自然災害等のリスクに備え、企業が安心して存続できるよう国の支援策があると聞きましたが。その制度の概要を教示ください。

今月の相談員
中小企業診断士
中小企業組合士 伊藤 勝

A.自然災害や感染症などのリスクが発生すると、経営資源(ヒト、モノ、カネ、情報)が毀損することが想定されます。その際に、被害を最小限に抑え事業を継続できるように事前に対策することが必要不可欠となっている中、企業が策定した防災・減災の事前対策に関する計画を経産大臣が「事業継続力強化計画」(通称「ジギョケイ」)として認定する制度があります。認定を受けた中小企業は、(1)日本政策金融公庫による低利融資(設備投資資金)(2)信用保証枠の追加(3)防災・減災設備への税制優遇(4)補助金の優遇措置が迅速に受けられることです。さらに、認定ロゴマークをホームページや名刺などでアピールでき、企業イメージアップにも繋がるメリットがあります。
 認定申請に当たり、計画策定の手順として以下5つのステップを検討します。
ステップ1.
事業継続力強化の目的の検討
 自然災害等が発生すると、「従業員やその家族」、「顧客や取引先」、「地域住民」等に大きな影響が及びます。自然災害等が起こった際に経済社会に与える影響を軽減する観点から事業継続力強化の目的を先ず明確にします。
ステップ2.
災害等のリスクの確認・認識
 被害想定を基に、「ヒト(人員)」「モノ(建物・設備・インフラ)」「カネ(資金)」「情報」の4つの切り口から自社にどのような影響が生じるかを考えます。
ステップ3.
初動対応の検討
 【1】人命の安全確保、【2】非常時の緊急時体制の構築、【3】被害状況の把握・被害情報の共有を検討。
ステップ4.
ヒト、モノ、カネ、情報への対応
 特に4大経営資源の毀損への対応が重要で、災害に備え事前にどのような対策を実行することが適当かを検討。
ステップ5.
平時の推進体制
 経営陣が関与して平時の訓練が必要で有り、その体制を確立することが大事です。
 以上の計画策定に当たり、「独立行政法人中小企業基盤整備機構」が無料の専門家による支援を行なっていますので、活用を検討されてはいかがでしょうか。

お問い合わせは、
https://www.smrj.go.jp/contact/fukkou_01/index.php