会報誌(DDKだより)

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2023年01月発行 第344号 DDKだより

巻頭:「タイパがよい」?


椎名 敬一

 あけましておめでとうございます。新しい年が皆様にとって充実した年になりますよう心からお祈り申し上げます。
 今年はうさぎ年です。株式市場の格言でも、うさぎ年は相場がはねて化けると歓迎されています。うさぎのようにピョンピョンとはねて、効率よく仕事を片付けていきたいところです。
 効率がよいといえば「タイパ」という言葉があります。「タイムパフォーマンス」の略で、かけた時間に対する結果の満足度(時間効率)のことです。コストパフォーマンス(費用対効果)が「コスパ」と呼ばれるのと同じです。
 ・タイパがよい・・・たとえば、動画の再生速度を1.5倍に上げて、より短い時間で内容を把握できた。
 ・タイパが悪い・・・たとえば、3時間かけて観た映画が面白くなかった。
 時間をかけずに情報や成果を得たい、という要求が強くなっているのです。「コスパ&タイパ」は、2022年ヒット商品番付の東の横綱に選ばれました(日本経済新聞社調べ)。
 時間がかかることを嫌う傾向は、ヒット曲にも表れています。
 ・2011年のヒットチャート20曲のイントロ(前奏)は平均17秒
 ・2022年のヒットチャート20曲のイントロは平均6.3秒
 およそ10年でイントロの長さは、半分以下になりました。2020年に大ヒットした「夜に駆ける」(YOASOBI)はイントロがなく、いきなり冒頭からサビで始まります(日本経済新聞2022年9月23日)。
 本やコラムのタイトルからも、時間効率化の思いがうかがえます。「運を良くするたったひとつの方法」「長生きしたいならこの3つを守るだけでいい」などというタイトルを見たことはありませんか。手間ひまをかけず簡単にできそうだと感じさせて、読んでもらう作戦です。
 ところが現実はそう甘くないのはご承知の通り。内容が伴わない時間短縮は、かえって仕事の妨げとなります。課題にとことん向き合って、時間がかかってしまっても、それが未来につながる意義ある結果を生むことがあります。
 ・熟慮断行
 ・即断即決
 それまでの研鑽や熟慮の積み重ねに裏打ちされた「即断即決」が本来の「タイパがよい」なのではないかと考えます。
 今年も怠らずにまだまだ至らぬ自分を磨いていきたいと思います。本年もよろしくお願いいたします。