会報誌(DDKだより)

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2023年07月発行 第350号 DDKだより

年金相談:算定基礎届の提出

Q.算定基礎届の書類が届きました。当社は基本給に変更がないため、提出しなくてもいいですか。

今月の相談員
特定社会保険労務士 服部 雅恵

A.毎年7月1日現在の被保険者について、4、5、6月の3か月間の報酬月額を届出し、その年の9月から翌年8月までの標準報酬月額が決定されます。これを定時決定といい、この届出を算定基礎届(算定)といいます。
 算定に記載する報酬は毎年4、5、6月の各月に実際に支払われた報酬が対象ですが、その月の報酬を計算する基礎となった日数に17日未満の月がある場合は、その月を除外して計算します。パートタイマー、特定適用事業所に勤務する短時間労働者などは支払基礎日数の考え方が異なります。
 また、報酬とは基本給などの金銭に限らず、現物で支給される食事や住宅、通勤定期券も含まれます。現物給与の価額は都道府県ごとに厚生労働大臣が告示で定め、毎年度改正される場合があり、今年度も改正されました。年4回以上支払われる賞与や手当等については7月1日以前1年間に支払われた合計額の1か月換算額を、通常の報酬に含めます。
 このように実際に金銭で支払う給与だけが対象ではないため、毎年決まった時期に決められた標準報酬月額と現在の報酬額にずれがないか見直します。
 なお、固定的な賃金等に変動があって、大幅に等級が変わる場合は定時決定を待たずに随時改定が行われます。
 いずれにしても決定された標準報酬月額は、納付保険料、健康保険給付及び将来の年金額の計算の基礎となります。すでに報酬比例部分の年金を受給されている方は在職老齢年金の仕組みにより停止額に影響しますので、毎年の提出は忘れないようにしてください。