会報誌(DDKだより)

DDK Newsletter

2023年08月発行 第351号 DDKだより

巻頭:躬行実践


米田 敏郎

 足かけ40年弱、東京中小企業家同友会(以下 同友会)にお世話になりました。前石田専務理事(現理事)にお声がけいただきDDKへの入職を決意しました。定年での退職を経て4月より、在籍させていただき専務理事を拝命し身の引き締まる思いです。
 前職は、大学3年早々に、就職活動のため、友人と共同求人の冊子を貰いに事務所に行ったことがきっかけでした。共同求人にすごく興味があり、アルバイト募集していたので、教育実習後に入りました。
 当時1980年代後半は右肩上がりの経済状況で、中小企業は深刻な人手不足が続いていました。労働条件や福利厚生に劣る中小企業に、学生は集まりません。そこで各社、社長や幹部は手分けし学校訪問を繰り返し、自社をアピール。また、中小企業1社だけでは、魅力的な説明会ができません。資料や展示に工夫を凝らし、様々な業種業態の会社を何社も集め、自社の魅力を社長自身が本気で熱く語る場が必要でした。同友会は、共同求人活動の一環とし、社長参加型の手作り「合同企業説明会」を企画開催していたのです。採用後、新入社員は合同入社式に参加し、多くの中小企業で働く仲間と一緒に、社会人としての心構えやルールを学びます。私は、そういう仕事を手伝うことに。
 日本の経済は戦後一貫して全産業の9割近くを構成する中小企業に支えられてきたこと。殊に活力や技術力がある中小企業が小規模であるために評価されていないことを実感しました。同時にその個性的な経営者の方々に非常に興味を持ちました。同友会では異業種同士がそれぞれの業界の生きた情報を交換し、より高い視座に立つことができます。           
 皆さん自己研鑽に努め、経営体質の強化をはかり、企業の存立基盤である経営環境がより良くなるように活動しています。私は主に組織関係に携わり、経営体験や経営指針成文化など、学びの場となる例会づくりをサポートしました。全国行事や地域が担当する全都行事があり、そのつど地域ならではの独特な企画・運営の実現に奔走してきました。
 同友会で培った経験を第二の人生として、この栄えあるDDKで活かそうと思います。
 DDKは機工同友会協同組合として設立し60年。幾多の難局を乗り越え、会員各社の事業の成長発展とともに今日まで大きく発展してきました。創業12社の社長が先頭になり、活躍した共同求人の歴史も有しています。その理念は「組合員の皆様に良いサービスを提供し、相互の交流促進を通じて中小企業の発展」を目指し、「フロンティア精神を失わず、前向きに仕事に取り組む」ことと承知しています。
 今後とも会員各社の経営の重みを共感し、その維持発展のためDDKに蓄積されてきた知恵と経験を活かし皆様方のお役に立つ所存です。