会報誌(DDKだより)

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2023年08月発行 第351号 DDKだより

金融・経営相談:新型コロナ「民間ゼロゼロ融資」の新借換保証制度とは ―「コロナ借換え保証」創設―

Q.銀行より「ゼロゼロ融資」を受け、昨年後半業績回復に向かう最中、資材の高騰などにより期待利益が確保できず、まもなく始まる融資の返済に不安が募ります。最近、国の資金繰り支援のための新たな保証制度がスタートしたようですが概要を教えてください。

今月の相談員
中小企業診断士 伊藤 勝

A.民間の銀行や信用金庫などが、コロナ禍で売り上げが減少した企業の資金繰りを支援した実質無利子・無担保の融資いわゆるゼロゼロ融資の返済が、今年7月から本格化します。ところが昨今、コロナ禍を乗り越えてきた多くの企業が業績回復途上にある中、原材料価格の高騰や光熱費の上昇等で企業収益が縮小、借入金の返済懸念が広がっています。
 そこで経済産業省では、中小企業の資金繰り支援を継続させるため今年に入り新たな保証制度を創設しました。この保証制度(コロナ借換保証)は、民間ゼロゼロ融資からの借換えに加え、他の保証付融資からの借換えや、事業再構築等の前向き投資に必要な新たな資金需要にも対応するという特徴があります。
 以下制度の概要をご紹介します。
1.保証限度額:1億円(100%保証の融資は100%保証で借換え可能)
2.保証期間等:10年以内(据置き期間5年以内)
3.保証料率:0.2%等
4.保証対象先:下記の(1)~(4)のいずれかに該当する先で、取引金融機関による伴走支援と経営行動計画書の作成が必要です。
(1)セーフティネット4号の認定先(地域指定)で、売上高が20%以上減少していること(最近1ヶ月、前年同期比)
(2)セーフティネット5号の認定先(業種指定)で、売上高が5%以上減少していること(最近3ヶ月実績と前年同期比)
(3)売上高が5%以上減少していること(最近1ヶ月実績と前年同月の比較)
(4)売上高総利益率又は営業利益率が5%以上減少していること。 
5.以上の対象先は、取引金融機関との話し合いを通じて「経営行動計画書」を作成した上で、金融機関による継続的な伴走支援を受けることを条件に信用保証協会に申し込みます。
▲「経営行動計画書」には、以下の項目を記載しますので熟慮が必要です。
 (1)自社の現状認識、財務分析 (2)具体的な資金使途、計画終了時点の将来目標、今後のアクションプラン (3)収支計画・返済計画など。
 以上、顧問税理士等にアドバイス受けながら申請を検討されたらいかがでしょうか。