会報誌(DDKだより)
DDK Newsletter
2024年10月発行 第365号 DDKだより
金融・経営相談:相続のときに必要な「原戸籍」とは?
Q.そろそろ相続の準備を始めようと思い調べていると「原戸籍」が必要と出てきます。戸籍にもいろいろあるようですが、具体的にどのようなものかを教えてください。
今月の相談員
税理士 平石 共子
A.原戸籍の読み方は、普通に読めば「げんこせき」と読めますが、「現戸籍」と間違えないように、「はらこせき」と読むのが一般的です。正式には、「改製原戸籍謄本」といい、平成6(1994)年の制度改正以前につくられた、古いバージョンの戸籍謄本のことです。
なぜ、相続のときに必要かというと相続人の調査・確定のためです。
被相続人(亡くなった人)の配偶者は常に相続人となり、第1順位の子がいれば配偶者と子が相続人となります。子が亡くなっていれば、孫、ひ孫の順番。第1順位がいなければ、第2順位、さらにいなければ第3順位となります。
第1順位:直系卑属
(子や孫、ひ孫など)
第2順位:直系尊属
(父母や祖父母、曾祖父母など)
第3順位:兄弟姉妹
(亡くなっている場合には甥姪)
相続人のことはわかっているという方が多いと思います。重要なのは原戸籍から現在戸籍へと改められた際に、削除されてしまった項目があるので、原戸籍を確認しないとわからない戸籍情報があるということです。削除されてしまった項目には、改製される前に除籍した人や認知した子、養子縁組、離婚などがあります。これらの情報があるかないかの確認をして相続人が確定します。ちなみに平成6年改製とは、コンピュータ化されたということです。
相続人の確定のほか不動産所有権移転登記(相続登記)、銀行預金口座の名義変更または解約、有価証券(株式)の名義変更の手続には、被相続人の出生から死亡までの戸籍が必要になります。相続手続きで必要となるのは除籍謄本で、死亡の事実を確認するために用います。原戸籍を取得できる場所は、近くの市区町村の役所や役場の窓口です。原戸籍を取得できるのは、本人、配偶者、祖父母・父母、子・孫です。まずは自分でとっておくこともできます。