会報誌(DDKだより)
DDK Newsletter
2025年04月発行 第371号 DDKだより
巻頭:中同協の税制提案に寄せて
沼田 道孝
中小企業家同友会全国協議会(中同協)の政策委員が集まる会議で、2026年度に向けた「国の政策に対する中小企業家の要望・提言」、税制の基本的考え方について報告させていただきました。基本的考えは公正・公平な税制を求め、その中核は能力に応じた負担にあることを明らかにしています。
政府税制調査会も法人税の減額措置がその所期の目的を果たせなかったと認めています。つまり、法人税率の引き下げにより、税負担の軽減による投資の促進、景気の上昇、国民へのトリクルダウンの好循環を目的に行われるはずだったこと。
中同協試算では、大企業の法人税の負担割合は、上場企業が申告している連結納税(現在はグループ通算税制)を実施している企業は16.4%であり、資本金が1千万円クラスの中小企業の18.1%よりも低いのです。このように租税特別措置法等による各種の税額控除と制度による恩恵が大企業優遇を生み出しています。
財務省の資料で、所得税でも、一億円の壁と言われている株式等、有価証券の売却に対する課税は、100億を超える所得の人が、17.1%あり、1億円の所得の人よりも10%低くなっています。有価証券の売却に対する税率を30%にすることが、海外の事例も含め、相当と指摘しました。
報告後、意見が寄せられました。
NISAで若い人が投資を行うようになり、貯蓄から投資への好循環が生まれようとしているときに、増税では、好循環に水を差すことにならないか、というもの。中同協では、貯蓄から投資への考え方につき積極的に評価をしているわけではありません。
個人的にも、バブル崩壊を経て、株の暴落で何億という借金で実質破産した親族を見てきているので、元本を保障しない投資を単純に好循環としては考えられません。なぜ、貯蓄が多いのでしょうか。政治の政策の貧困と将来不安がそれを生み出しているように思えてなりません。
税金は、能力のある人が負担をし、将来に不安を生み出さない政策的な社会制度がつくられなければと思います。