会報誌(DDKだより)
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2025年08月発行 第375号 DDKだより
巻頭:暑い夏に思う
齊藤 隆
夏は暑いものではあるが、近年の暑さは何か違う。今年は6月からすでに30度を超える暴力的な暑さが続いている。世界各地での異常な気象や現象をきくにつけ、気候変動は確実により早いスピードで進行していると思わざるを得ないのである。
数年前にNHKのドキュメント番組での地球温暖化の特集を見て、ゾッとしたことを思い出した。その番組では、地球温暖化は新たなフェーズに入り、このままいくと早ければ2030年には地球の平均気温は臨界点に達し、それを超えるともはや温暖化を加速させる要因が連鎖して暴走を始め、もはや打つ手がなくなる、というものだった。
調べてみたら、その放送があったのは2021年1月。すでに4年が経っている。その内容がほんとうなら、あと2030年まで5年しかない。
気温上昇を、その臨界点ぎりぎりの1.5℃におさえるためには、二酸化炭素の排出を2030年までにほぼ半分に、そして2050年頃までには実質ゼロにする必要があると、番組の中では分析していた。はたして、あと5年でそれを達成できるのか-。
そんな地球的危機を目前にした現在でも、世界では野蛮な殺し合いの戦争が絶えず、分断を煽る考え方が横行し、気候変動を考える世界的な枠組みでも、大国の不参加によって世界的な取り組みに重大な支障を生じていることなど、厳しい現実がある。いったい、これから地球はどうなってしまうのか。
国連や世界の科学者たちがそんな警告を発して取り組みを進めている中で驚くのは、気候変動は無いとか、人間の経済活動のせいではないとかいう主張が広まっているということを聞いた。いろいろな考え方があってもいいとは思うが、人類的な危機に対してあまりにも無責任だと思わざるを得ない。
世界中の人々が、単に自分の利害だけを主張するのではなく、地球という限られた環境のなかで、みんなで助け合い支え合いながら生きていく、そんな世界観はもはや理想論でしかないのだろうか。
そんな危機感をもちつつも、自分は毎日の仕事に追われて忙しい日々を過ごすので精一杯。できることといえば、不必要な電気を使わないように気をつけることくらいなのだが-。
自分の子や孫たち、そして続いていく命の営みを、ほんとうに心配しないではいられない今日このごろである。