会報誌(DDKだより)
DDK Newsletter
2026年04月発行 第383号 DDKだより
巻頭:巨木の街路樹
沼田 道孝
私の勤める事業所は、旧中仙道沿いにあります。さいたま新都心駅から歩いて八分。数百メートルにわたって両側が見事な欅の並木になっていました。ところが、今年に入って、すべての欅が切り倒されてしまいました。ほぼ、一か月にわたって、切り倒し、根まで掘って除去。幾つもの切り株を見ましたが、幹回りが記してあり、ほとんどが4mを超えている巨木。
人の生き方にも年輪という言葉が使われますが、幾層もの歳月を感じさせる年輪を見ることができました。
なぜ切ったのか。地元町会の回覧を見る機会がなく、判然としませんが、ここ数年ムクドリの大群が住み家にして、枝の剪定、音の出る機器の設置、覆いなど手を変え品を変えて対応していましたが、有効な手立てがなかったようです。マンション群ができ、新しい住民が増えたせいかもしれません。
街路樹を切り払った道は明るく、建物がすべて見渡せます。こんな道、こんな街だったのだと驚きをもったほどです。でもこの風景の寂しさに胸が押しつぶされそうになりました。見事な巨木の街路樹。いったいどれほどの歳月でここまで育ってきたのか。旧道の沿道で、おそらく欅の並木道が残っていた数少ない道ではなかったのか。
東京の神宮外苑再開発の反対に賛同してネットで署名をしました。経済活動を含め、人の都合で、いとも簡単に壊し、緑の豊かさを奪ってしまう。もっと発想を心の豊かさに求め、自然と歴史の豊かさを感じられるように進められないものなのか。
私は、山歩きが好きです。自然の中を歩くこと、自然のすごさ、豊かさ、様々な変化を味わうことができます。自然の中では、人が歩く道を維持するのも大変です。
街の緑は、それとは違いますが、自然の営み、安心、くつろぎを作り出します。行政は、緑を維持し豊かに広げることに注力して欲しいものです。