会報誌(DDKだより)

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2026年09月発行 第388号 DDKだより

人事労務相談:他社でアルバイトをしているのが発覚したが?

Q.社員が他社でアルバイトをしているのがわかったのですが、何か対処の方法はありますか。今のところ、本人の勤怠には影響がありません。

今月の相談員
経営労務コンサルタント
社会保険労務士 石田 仁

A.社員としては、自分の自由時間は好きに使いたい。しかし、会社としては、他社で働くことにより、必要な残業を断られ、疲労により所定労働時間の勤務にも支障が出、何よりも長時間労働で健康を害する心配があります。
 民間企業では、法律で兼業が禁止されているわけではありません。そもそも、社員が職務専念義務を負うのは、所定時間内に限られるからです。終業後のプライベートな時間についてまで、会社は指示することはできません。いずれにしても、兼業については就業規則や労働契約で定めておくことが大切。
 他社で働くことについては、禁止し、あるいは会社の承諾が必要であるとする定めについても一理あります。厚労省モデル就業規則では、第1項で勤務時間外に他社の業務に従事することができるとし、その第2項では「労働者からの前項の業務に従事する旨の届出に基づき、当該労働者が当該業務に従事することにより、次の各号のいずれかに該当する場合は、これを禁止又は制限することができる」。各号として、?労務提供上の支障がある場合、?企業秘密が漏洩する場合、?会社の名誉や信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合、?競業により、企業の利益を害する場合を禁止できるとあります(厚労省モデル就業規則第68条)。
 一般社員はともかく、幹部として期待され、優遇されている者は、兼業を制限される度合いは高いと言えます。例えば兼業のため、翌日の勤務に頻繁に支障が出るのは職務専念義務違反(欠勤、遅刻、重大なミス等)であり、一定の禁止等の措置にも妥当性があります。
 働き方改革では、ワークライフバランスを重視するのが主流です。全面的に兼業を禁止するのは社員の自由時間を制限する点で問題があります。モデル就業規則のように、原則、届出制にし、例外的に、禁止又は制限することも一つの方法です。
 反対に、届出ではなく、あくまでも許可制の方が安心して経営できるとの声もあります。
 兼業の場合、労働時間の通算等法令上の問題もあり、会社としては、原則として許可を得ることにし、禁止や制限される場合を列挙する規定の方がシンプルです。ダメな時はダメと言えるからです。
 本件のように、許可を得てないことが発覚したら、まず形式的に就業規則違反として注意するのではなく、本人からその事情を聴き、会社に不利益をもたらさないかどうか判断すればよいことです。