会報誌(DDKだより)

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2000年02月発行 第69号 DDKだより

金融相談:使途流用したときの善後処理について

Q. 保証協会から、前回の設備資金借入れの領収証を求められ弱っています。実は車輌資金名目で借りたのですが、運転資金(個人借入金返済)にまわしてしまったのですが…… 
  




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今月の相談員 
 参与 田口 良一  
     国民金融公庫出身 
     祝経営研究所次長 


A.  この種のトラブルは、保証協会や国民公庫などをめぐって、各地で頻発しています。世間では、「本当のことを言えば貸してくれないし、使途を流用すればあとでいじめられる」といって肩をすくめて苦笑いです。
 保証協会が現在取り扱っている貸し渋り対策の「特別保証」制度でも、この問題が顔を出しています。今回の「特別保証」は、前例のない、特別に利用しやすい制度で、保証を申込んだ人の93%が利用できていますが、それでも「ネガティブリスト」(否決基準)があり、それに抵触すると保証が受けられません。
 そのネガティブリストの中に「前回保証資金が合理的な理由なく、使途目的に反して流用されていた場合」という1項目があります。銀行プロパー貸出しでは、使途を問わない「フリーローン」や「コーポレート・ローン」が大はやりだというのに、保証協会などがなぜウルさくいうのでしょうか。現実と乖離をひろげている過去の遺制の1つでしかありません。
 それはともかく、この関門はクリアーしなければなりません。実は、前記ネガティブリストは、流用後の使途が「合理的」であれば、門戸は開かれると言う規定なのです。「合理的」と「不合理」との分水嶺は、事業資金として有益だったか無駄だったかです。今日現在経営を維持できていることが、前回借入金が合理的に投資されたことの最大の証明となるのですから、悪びれずに流用に至った事情を「合理的」に説明すべきでしょう。領収証を偽造したりすると苦しくなるだけです。
 なお、流用となったときは、なるべく早く次の申し込みの前にその旨を申告したほうが安全です。特別金利を普通金利に変更することはあっても、一括返済までは要求しませんから。
 


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