会報誌(DDKだより)

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1997年04月発行 第35号 DDKだより

年金相談:失業給付を受けると年金はもらえない?

Q.  来年の1月、60歳で定年退職する予定です(勤続36年)。雇用保険の失業給付を受けると、年金が停止されるようになると聞きましたが、私の場合はどうなるのでしょうか。 




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今月の相談員 
社会保険労務士 栗原 淑江  


A.  平成6年の年金改正により、来年(平成10年)4月から、「特別支給の老齢厚生年金」(65歳未満の老齢厚生年金)を受けられる人が、雇用保険の失業給付(基本手当)を受ける場合には、年金が支給停止されることになりました。
 これは、60歳になるまでは賃金を中心に、65歳以降は年金を中心に生活設計を立てるのに対して、60歳から65歳になるまでの間は、年金と賃金、さらに雇用保険法による給付を合わせた所得で設計することが、高齢社会での望ましい姿であると考えられたことによるものです。
 この併給調整の措置は、特別支給の老齢厚生年金の受給権がいつ発生したかによって決まります。つまり、平成10年4月以降に受給権の発生する人(男性の場合は、昭和13年(1938年)4月2日以降に生まれた人)が該当することになるわけです。
 あなたの退職に伴う基本手当は210日分、来年4月以降も給付されるので、併給調整が実施される4月以降はどうなるかというお尋ねですが、あなたの場合、年金の受給権は60歳になる1月に発生しますから、4月以降も年金が支給停止されることはありません。
 なお、来年4月からは、基本手当受給者の調整だけでなく、65歳未満の被保険者が雇用保険の高年齢雇用継続給付を受ける場合についても、その間、在職老齢年金の仕組みによる支給停止に加えて、原則として、標準報酬月額の1割の年金が支給停止されることになっています。




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