会報誌(DDKだより)
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2025年10月発行 第377号 DDKだより
金融・経営相談:役員報酬の基本―知っておきたい税務上の取り扱い―
Q.中小企業の経理を担当していますが、このたび新役員に対して、役員報酬の基本的なことを説明することになりました。役員に抑えておいてもらいたいポイントを教えてもらえませんか。なお、新役員は使用人兼務役員ではありません。今月の相談員
税理士 平石 共子
A.役員報酬に対する定めは、平成18(2006)年度の税制改正で決められたものです。これは新会社法の平成18年5月1日施行を受けての改正でした。
新会社法では、「役員報酬は、株主総会の決議によって決定。役員報酬は事業年度開始から3か月以内に決定・変更をしなければならない。」というものです。
まず、株主総会で、取締役に対する報酬の総額の限度額を決め、監査役設置会社の場合は、取締役とは別に監査役報酬の総額の限度額を決めます。ここで役員報酬の総額の限度額が明記されますが、あくまでも限度額、この金額を支給するわけではないので注意が必要です。また、少し余裕をもって限度額を決めておかないと、例えば業績が良かったので役員にも決算賞与を支給しようとしたら、限度額を超えてしまったということもあります。限度額を超えた場合は、超えた金額が損金不算入(つまり、法人税の計算上経費にならない)ということになってしまいます。
それでは、取締役、監査役各人の報酬の額は、どうやって決めているのでしょう。株主総会で総額だけを決めておいて、取締役会に一任、さらに社長に一任しているケースもあります。これについては株主総会の決議の範囲内とされているので問題ありません。
さて、事業年度開始後3か月以内に、各人の報酬額の増額が決定されました。3月決算、5月末株主総会。役員報酬の変更は、6月分からとしました。それから翌年の5月まで、つまり1年間同じ報酬額、同じ日に支給しなければなりません。これを「定期同額給与」といいます。
役員報酬は、定期同額給与を厳守することが基本中の基本。例外として、事業年度の途中で代表取締役が病気になり、交替した場合は、増額、減額もあり得ます。また、業績悪化で赤字転落のため、減額も考えられます。しかし、これらはめったにないことです。
そのほか事前確定届出給与は所定の時期に確定額を支給する旨を定め事前に税務署に届け出をすれば、損金算入できます。つまり、事前に賞与額を決めて支給するものです。また、業績連動給与がありますが、これは非上場会社では使うのは難しいので割愛します。