会報誌(DDKだより)
DDK Newsletter
2026年02月発行 第381号 DDKだより
巻頭:ヒトはなぜ音楽を愛するか
齊藤 隆
テレビはあまり見ないのですが、興味のあるテーマのドキュメンタリー番組などは見ています。昨年末に面白い番組がいくつかありました。NHKの「知的探求フロンティア~ヒトはなぜ音楽を愛するか」という番組。音楽と人間のあり方を科学的に分析し、バラエティのような楽しさとわかり易さで、とても面白い内容でした。
地球上には一万をこえる様々な民族がありますが、そのほぼ全ての民族が独自の音楽をもっているそうです。そこから考えられる仮説は、「音楽を持たない民族は滅んでいったのでは」というものでした。実に面白い仮説だと思いました。そうすると、人類が生存していく上で、音楽は必要不可欠なものということになります。
人間の祖先たちは、リズムを叩き、歌ってコミニケーションをとることで、集団で行う狩りや生活を効率よく行うことができた。そのことが一つの要因で、生存競争に勝ち抜いて進化を遂げてきたと考えると、音楽の力は、人間が生きる上でとても重要なものだといえます。
もう一つ面白かったのは、「あなたが忘れられないもっとも愛する曲は何ですか」の問いの答えが、全世界共通で、10代から20代前半に聞いていた曲、ということを科学的に解明した点です。
自分も大いに納得します。高校時代からフォークが大好きで、友人とギターをかき鳴らして歌った曲たちがいまだに好きで、自分の血肉になっていると言っていいほどです。
「歌声喫茶」という仕事がら、とても示唆に富んだ内容でした。1960年代に大流行した歌声喫茶で青春期を過ごした世代は、当時歌っていた曲を今でも好んで歌います。そして1970年代以降に青春期を過ごした世代では、当時流行っていたフォークや歌謡曲に慣れ親しむ人が多いようです。4~50年の時間をこえて、それらの音楽がまた復活し流行っているのも納得できます。そんなことを考えながら、わが歌声喫茶では、どんな世代がどんな曲を好み、今後どんな曲が流行るのか、とても参考になる内容でした。
そして最後のまとめがとても印象的でした。
「みんなで歌う」とは~『自分が声をだす。他の人の声が耳に入ってくる。自分一人で生きているわけではなく、「全体の中に自分がいる」ということを確認しあう。それが音となって響いて「みんなで一緒に生きている」ということを心地よく感じる一つの行為』
まさに歌声喫茶の世界そのものです。