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@産業再生機構とは
6月頃には発足するとのふれこみですが、中小企業をどう取り扱うのかは全く不明です。「機構」は、不良債権の処理を加速するために、非メイン銀行の大企業向け不良債権を買い取って、メイン銀行と協力して3年以内に再建、売却、法的処理のメドをつける、時限立法的装置(株式会社)です。
A生死のボーダーライン
「要管理先」とされた企業が「機構」によって救ってもらうためには、次の算式による水準を超えなければなりません。このボーダーラインをクリアーできないとき、企業は「破綻懸念先」とされてRCC送りか、法的処理に移されてしまいます。
〔算式〕
つまり、現在の借入金残額を現金利益の10年分以下に圧縮できるかどうかが、生死の分れ目なのです。このための猶予(努力)期間は3年以内です。
B中小企業の債務返済年数は29年
中小企業の債務返済年数は、財務省法人企業統計では29年もかかることが明らかになっています。もしさきの算式基準が中小企業に適用されると、大多数はRCC(整理回収機構)送りとなってしまうでしょう。
Cアメリカ側の声
ゴールドマンサックス証券(いわゆる「ハゲタカファンド」の大手)のデービット・アトキンソン氏は「中小企業を対象から外さないことが産業再生機構が機能するかどうかのポイント」と主張していることが気がかりです(日経新聞、1月10日付)。
氏は、日本経済の長期低迷の原因は赤字中小企業の存在だ、と主張してきた人ですし、彼の言動はアメリカ側の声としてこれまでも日本の朝野に広い影響を及ぼしてきた実績があるからです。
国家機構を作ってでも、多数の中小企業を市場から退場させれば日本経済は回復するという理論は、「市場の暴力」以上の狂暴といわなければなりません。
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