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Q |
借入に際し、会社(借主)と無関係の第三者の立場で連帯保証人となり、「包括根保証」契約書に署名捺印した結果、大変な被害を受けたという話を聞きました。「包括根保証」とは、どんな保証ですか。
又、連帯保証人になる場合にはどんな注意が必要ですか。 |
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今月の相談員 |
中小企業診断士
中小企業組合士 |
伊藤 勝 |
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A |
保証の形式は、「普通保証(特定債務保証)」と「根保証」の二つに大別され、更に根保証には、「包括根保証」と「限定根保証」があります。分類、整理すると以下の通りです。
保証形式 |
保証種類 |
内容 |
普通保証 |
特定債務保証 |
特定の債務だけを保証 |
根保証 |
包括根保証 |
主債務者(借主)の全ての
債務を保証 |
限定根保証 |
金額・機関・取引種類を定めて
保証 |
「包括根保証」とは、継続取引における債務者(借主)の現在及び将来発生する一切の債務につき、金額の限度及び期限を定めず保証するもので、金額無制限で未来永劫保証するというもの(「限定根保証」は、同様の債務につき金額の限度・保証の期間・取引の種類を定めて保証)。銀行等の根保証契約の乱用で、かつて社会問題化しました。
借主である会社と無関係(経営に関与しない)の第三者が、連帯保証人になるケースはよくあることですが、この場合、金融機関は「限定根保証契約」にすべきです。
「包括根保証」にあっては、無限・永久に債務を負うことになるので、第三者保証人に対し(1)通常1年程度経過した時の「任意解約権」と(2)借主の信用状態の悪化など特別な事情が発生した時の「特別解約権」が認められており、保証人を保護しています。このため常識ある金融機関は、トラブル回避のため限定根保証契約を基本にしています。
保証を頼んだり、保証人になる 場合の注意点 特定の債務に限定した保証が望ましいですが、事情により「根保証」とする場合には、保証金額・保証期間双方を定めた「限定根保証」とし、条件を記載した契約書を確認して署名・捺印した上、必ずそのコピーを受領しておきましょう。 又、定期的にかつ必要に応じ随時、借入残高等情報開示を銀行に対し求めることも肝要です。第三者保証等のトラブル多発により、金融庁は本年7月、「新しい監督指針*」により、銀行に説明義務を負わせています。
*「与信取引(貸付契約及びこれに伴う担保・保証契約)に関する顧客に対する説明体勢及び相談苦情処理機能に関する新しい監督指針」15.7.29
金融庁
[参考]金融庁ホームページ
http://www.fsa.go.jp/guide/guide.html
「事務ガイドライン」 |
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