理事 亀井 賢伍 商工中金出身 元第一経理経営相談室長 |
当組合の金融事業は関係者から注目され、利用者からも大変喜ばれて
おります。DDKと言えば金融を連想されるほど、
象徴的な中核事業となっています。 本格的に金融事業(年末・盆資金の転貸)を始めて10年余り経ちますが、 延滞比率は1年前まで低い水準で推移してきました。 その鍵は協同金融、つまり仲間同士の助け合いという協同の理念に 基づいた制度・運営にあったのです。 甚だ残念なことに、昨年の盆と年末資金に協同金融の精神と 無縁・異質の申込みが混入し、延滞比率が少し高まりました。 市場競争に敗退し、万策つき、結果として債務不履行に陥ることは あり得ることです。問題は、経営者のインテグリティ(誠実さ)です。 これらの企業(経営者)の組合への対応は、 最後まで連帯感にもとる心外なものでした。 ご承知のとおり、貸出金の原資は全て銀行からの借入金に依存しています。 転貸先からの回収が遅滞しても、組合は銀行に対し約定通り返済しております。 組合の財務状態・資金繰状況は良好で、今後の返済についても 全く懸念はありません。しかし、金融ビッグバンに備え、 融資姿勢を一段とシビアにしている銀行が、延滞比率の一時的上昇に 過剰反応してバックファイナンスに難色を示すと、 金融事業の運営に支障をきたします。 延滞比率を早期に是正することが求められます。 いくつかの是正策をたてましたが、基本的な一点にしぼって申し述べます。 それは協同金融の原点にたち帰り“仲間うち”の、“顔の見える” 金融に軸足を据え直すことです。経営者の人物・志と、推薦者のスタンスが 大きなポイントとなるでしょう。 今年の年末資金から、申込資格に基準を設けるなど、 取扱要領を改訂したのは、以上のような背景・事情によるものです。 小口・協同金融の灯を守るため、敢えて経過を率直に開示し、 皆さまのご理解とご協力をお願いする次第です。
|