設立35周年を迎えて

−第2の創業からの10年を顧みて−


  理事  亀井 賢伍       
       商工中金出身
       元第一経理相談室長
       前専務理事

 


 同業組合から異業種組合へ
 当組合は、今年設立35周年を迎えました。5年前、30周年記念誌 「機工同友会から第一同友会へ」を刊行し、集団求人、職業訓練に光をあてて 組合の歴史と伝統を確かめ合いました。
 記念誌でも述べていますように、当組合は、10年程前に異業種組合として 再スタートしましたので、この10年の歩みを振り返ってみたいと思います。

 団体性と企業性のバランス
 言うまでもなく、組合には運動体(団体性)と事業体(企業性)の二つの 面があり、両両相俟って進まねばなりません。
 とはいえ、限られた力の配分として当初5年間は財政基盤確立のため企業性 に傾斜した「経営」を行ったことは否めません。
 財政が、十分とは言えないまでも安定した後半5年間は、団体性も志向した 運営に心がけてきました。
 情報誌「DDKだより」の発行、リンケージ(会員名簿)の作成、ホーム ページの開設、異業種交流会の定例化、無料金融経営相談、教育研修の充実 などがその現われです。

 人づくりが基本
 こうした事業をすすめる上で、事務局を預かるものとして心を砕いたのは 人づくりでした。理事長はじめ役員の皆さま、各委員会の委員の方々の、 高い次元からの指導に即応できる事務局なくしては変化の激しい今日、 会員のお役にたてないばかりか、組合の存立基盤さえ揺らぐとの危機感から です。OJTのほか各種レベルの社内勉強会、全員研修、通信教育・資格取得の 奨励、外部セミナーへの参加等を通じ専門能力・挑戦意欲の向上、社会常識の 涵養に、愚直なまで一途にとりくんできました。

 今後の課題
 21世紀における協同組織の在り方、展望はさておき、近未来の課題は二つ あります。
 一つは新事業の開発・収益事業の構造改革です。事業収益が特定部門に 過度に依存しておりかつその部門の将来にかげりが予測されるとすればな おさらです。再・創業の気概で格闘しなくてはなりません。
 二つは協同金融事業の再構築です。銀行の貸し渋りは一過性ではありま せん。中小企業の金融難は長びくでしょう。昨今のモラルハザードの風潮 もおり込み、リスクを相互に負担し合う真の意味での協同金融システムの 構築が求められています。