顧問 河野 先 (株)第一経理 会長 全国中小企業家同友会全国協議会幹事長
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来る5月23日に開催される総代会は、21世紀のスタートとなる最初の総代会だ。 真の中小企業の時代の創造に向けた確かな歩みと展望を確認することが重要な課題だ。 敗戦後の荒廃した日本経済を立ち上げ「経済大国」と謳われたが、それは国の産業政策を推進する下支えとして、産業構造の枠組みの中で重要な役割を担った多数の中小企業群があったからだ。 改めて、当協同組合の設立30周年記念誌(1993.6.15)を読んで、バイタリティあふれる諸活動に胸が熱くなる思いだった。 85年のプラザ合意を機にして、産業構造の枠組みが崩れ、規制緩和の流れと市場原理万能主義、加えてIT化もあり、今や産業界は急速な変化と激動の真只中にある。 失われた10年を更新する政治経済の流れで閉塞感は否応無く気分を萎えさせている。 しかし、日本経済の再生は、多国籍化し、グローバル競争を行う大企業ではなく、地域経済と雇用を担う中小企業の活力ある発展なくしてありえないこと。又、国際的にも90年代に入ってから先進国経済では中小企業の独自の役割が評価されてきている。中小企業が自国経済の牽引役、エンジン的存在であることは、イノベーションの原動力、雇用創出への貢献によって、アメリカ経済の発展に寄与したこと、EUでは2000年6月に「ヨーロッパ中小企業憲章」が採択されていることで証明される。 21世紀をどう観るか、現状の厳しい経営環境を正しく認識し対応するのは勿論、中小企業の時代を創造する課題として、本業見直しによるさまざまな仕事作りとネットワークづくりが求められるし、ここに協同組合の役割がある。異業種、広域の経営資源をどう生かし、組合員のニーズに応えていくか、企画力、開発力、推進力ある事業推進に向け、組合員の積極的な参画を期待したい。 |